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「LCCの飛行機は古い」は間違い?日本のLCC 実は新しい機体ばかり それが合理的なワケ

乗りものニュース

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安い値段で飛行機に乗れるLCC。実は新造機や機齢の低い飛行機を、特に日本では多く使っています。調達時は高くつきそうなものですが、なぜなのでしょうか。LCC2社に詳しく聞いたところ、理由はとても合理的なものでした。

中古機の整備は「1年」掛かることもある

 LCC(格安航空会社)はチケットが安いから、飛行機も安く調達できる古い機材ばかり、というイメージがあるかもしれませんが、その実情は少なくとも日本では正反対です。理由も合理的なものでした。

 航空会社ごとの平均機齢を見ると、2019年3月時点でANAが9.0年、JALは全体平均のデータがありませんが、たとえばボーイング737-800型機が7.7年、ボーイング777シリーズは15.6年です。2社ともに安全性、機内サービスは折り紙付きですが、なかには20年以上運航している機体もあります。一方で、2012(平成24)年から日本の航空業界に参入しているLCCの平均機齢は、ジェットスター・ジャパンが5.66年(2019年6月時点)で、ピーチが4.26年(同年3月時点)です。

Large 191125 lcc 01ジェットスター・ジャパンのエアバスA320型機(2019年5月、伊藤真悟撮影)。

 これにはLCCの2社が、新造のエアバスA320型機を多く導入していることも影響しています。買うときは高くなりそうな新造機ですが、なぜ導入するのでしょうか。ジェットスター・ジャパン広報部に聞きました。

――なぜ高くつく新造機を導入するのでしょうか?

 中古機材を導入する際には、事前に確認すべき整備に関する事項が非常に多く膨大です。私どもで定めた基準を満たしているか、過去にどんな整備が行われたのか、詳しく調べます。場合によってはこの調査が、1年も掛かってしまうこともございます。

 また、このような整備の多くは海外で行われますが、そのあいだの人件費も考慮する必要があり、これもコストを大きくする要因となります。これらの労力やコストを考えまして、新造機導入のメリットが多ければ、そちらを取るのです。

ジェットスターの合理的すぎるスタイル! 機齢が低い状態で退役も

――導入した後は、どうなのでしょうか?

 導入後の整備はもっと重要です。一般的に飛行機は、飛行時間や飛行回数に比例して不具合の発生確率は増える傾向にあります。特にいままで、異なる環境や品質管理体制で運航されていた飛行機は、より多くの労力を割く必要がある可能性もございます。それに応じたコストもかかりますし、そのあいだ、飛行機は使用することができませんので、稼働率にも影響してまいります。

 LCCのビジネスでは、機材をできるだけ多く稼働させることが重要と私どもでは考えております。ジェットスターでは想定より機材の稼働率が低いとき、一部の飛行機を他社にサブリース(転貸)したこともございます。

Large 191125 lcc 02ジェットスター・ジャパンが導入するエアバスA321LR型機。これも新造機。同シリーズの機種でそろえるのもコストを下げる一環(2019年11月、乗りものニュース編集部撮影)。

――他社で使った飛行機も、一部混ざっているのはそういうことなのですね。

 そのぶん見方によっては機材の整備や点検、部品交換がJALやANAなどのフルサービスキャリアよりも、実は多くなります。その際の部品も都度コストが生じますし、稼働率も下がってしまいます。そういったコストを総合的に検討したうえ、比較的機齢が低い状態で退役させることも選択肢のひとつなのです。

※ ※ ※

 LCCでは実際に、機齢が低い状態で退役させているケースもあります。全機新造機で運航していながら、2019年5月に同社1号機となるエアバスA320型機を7年2か月で退役させたことのある、ピーチの広報部に聞きました。

なぜ機齢が低いうちに退役? 新造機ではない場合の調達方法とは……

――ピーチの1号機を機齢が低いうちに退役させた理由はなんでしょう?

 遅延や欠航によるコストなどを総合的に考えた場合、新しい機材を使う方が高い稼働率を保ちつつ、安定した運航ができるメリットがあります。この方がコストを抑えることもできると考えたのです。

――ピーチの1号機は、これからどうなるのでしょう?

 1号機は、ピーチで購入したものではなくリース機で、リース会社へ返却しています。返却後の足取りについては公表が難しいですが、一般的にエアバスA320型機は、中古機リースの需要も高く、小型貨物機の需要も増えているそうなので、ピーチで使っているものもこれから、様々な用途や場所で運航されるのではないかと思います。

Large 191125 lcc 03ピーチのエアバスA320型機(2019年12月、乗りものニュース編集部撮影)。

※ ※ ※

 なお、日本のLCCがすべて新造機を導入しているわけではありません。中古機の場合、調達元は様々ですが、フルサービスキャリアのグループ会社にあたるLCCでは、親会社から機体を調達するパターンも多いようです。

 2019年10月をもって同じANAグループのピーチと併合したLCC、バニラエアでは、元ANAのエアバスA320型機を一部使用していたほか、JALグループが立ち上げ、2020年5月にデビュー予定の国際線LCC「ZIPAIR(ジップエア)」の初号機である、ボーイング787-8型機は、元JALの機体です。

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