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ブラックカードに価値はあるか? クレジットカード取得は「身の丈」が基本!

オトナンサー

ライフ・美容

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クレジットカードはどう選ぶべき?
クレジットカードはどう選ぶべき?

 クレジットカードの最高峰と言われる「ブラックカード」をご存じでしょうか。クレジットカードにおける最上位の券種の通称です。発行元からの招待(インビテーション)によるものが多く、通常の申し込みはできません。ブラックカードの先駆けとなったアメックス「センチュリオン」は、富裕層限定のカードとして1999年に登場しました。

 その後、優良顧客獲得のために各カード会社が後発します。発行枚数や属性を鑑みると、現在、「ブラックカード」といえるのは、アメックス「センチュリオン」、ダイナースクラブ「プレミアム」、JCB「THE CLASS」の3種類です。

クレジットカードのメリットとは何か

 筆者は、ダイナースクラブ「プレミアム」、JCB「THE CLASS」、アメックス「プラチナ」の3枚を所持していました。取得するには、インビテーションかホルダーの紹介が必要です。メリットもあったのですが、2008年のリーマン・ショック以降、不況の波がカード業界にも押し寄せます。

 まず最初に、付加サービスがなくなりました。アメックス「プラチナ」は米国での使い勝手が悪く、利用できる店舗が少なかったことや手数料が他のカードより高いので店舗で嫌がられることがありました。また、「センチュリオン」は枚数制限をかけていて取得が難しかったこともあり、アメックス「プラチナ」は早い段階で整理しました。

 ダイナースクラブ「プレミアム」は付加サービスが魅力でした。しかし、サブプライムローン危機で米国シティグループは過去最大の赤字を計上します。同時に、サービスの縮小や変更、24時間対応の打ち切りがあり、整理しました。現在、所持しているのは、JCB「THE CLASS」のみです。ベネフィットが充実しているので満足しています。

 今年になってから、アメックス「プラチナ」がインビテーションを廃止しました。誰でも申し込めるカードになったわけです。通常、プラチナカードを取得するには、ゴールドカードを取得して一定額以上の利用があった人に対して、カード会社がインビテーションで招待するものですが、代理店や問い合わせ窓口でも取得できるようになりました。

 アメックスは「昨今の潮流」としており、価値観やクオリティーが伝わり、サービスの質が下がらなければ受け入れられるとしています。ただ、年間費13万円です。これまで、アメックスはカードにステータスを植えつけることで独自ブランドを形成してきました。誰でも申し込めるカードにステータスを感じることができるのでしょうか。筆者は難しいと考えています。

カードにステータスなど存在しない?

 筆者の場合、質の高いベネフィットに価値を感じました。例えば、ホテルのスタンダードシングルがジュニアスイートに、エコノミーがビジネスクラス程度には簡単にアップグレードしました。スマホもない時代、困ったときのデスクは便利でした。突然の出張では、飛行機の搭乗前に連絡しておけば、到着時にはオーダー通りの宿が確保されていました。

 しかし、ブラックカードでも、しょせんはカードに過ぎません。所持することで財力や信用力を担保することはできません。以前、ある政治家と会食する機会がありましたが、誰もが知っている流通系のノーマルカードで決済していました。

 また、ブラックカードには限度額がないという都市伝説がありますが、一定の基準は設けられています。「センチュリオン」で戦車が購入できると話した芸能人がいましたが、不可能でしょう。当時、ダイナースクラブ「プレミアム」で2000万円程度の利用枠が用意されていましたが、2000万円を使う人はなかなかいないと思います。

 投資家のウォーレン・バフェットやマイクロソフト創業者のビル・ゲイツがアメックス「ノーマル(グリーン)」を使っているのは有名な話です。いずれにせよ、クレジットカードはライフスタイルにマッチした“身の丈”を所持すべきと言えるでしょう。

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員 尾藤克之

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