交通集中を受けきれない「大網街道」
2026年8月13日から千葉県を襲った豪雨被害の復旧が少しずつ進んでいます。被害が特に大きかった千葉市南部では、外房の茂原市とを結ぶ旧「千葉外房有料道路」、県道生実(おゆみ)本納線の末端部(大木戸IC~茂原市大沢)が22日に開通、翌日にはJR外房線の誉田(ほんだ)~大網間も1日前倒しで開通して全線復旧となりました。
大網街道の誉田町付近。混雑が激化している(乗りものニュース編集部撮影)
しかし、周辺道路は多くの箇所で不通となっているほか、通れる道路でも法面が崩れて車線規制されているところもあるなど深刻です。旧外房有料道路は被害の大きさから、21日以降、千葉県と千葉市に代わり国が緊急復旧を担うこととなりました。
この旧外房有料道路の不通により、特に混雑が顕著となっているのが、県道20号「大網街道」です。外房線の復旧以前からSNSでは「大網街道の渋滞えげつない」「大網街道に出たら、 帰るのに、2時間かかったよ」といった状況で、旧外房有料道路の早期復旧を望む声が寄せられています。
大網街道は千葉市街から京葉道路の松ヶ丘ICと連絡し、JR外房線に並行して大網白里町へ抜けていく主要道路です。この大網街道自体も、千葉市と大網白里町との境界付近が法面崩落などのため通行止めとなっています。
旧外房有料道路の大部分が不通となるなかで、この大網街道に多くの交通が集中しています。とりわけ深刻なのが、鎌取駅から誉田駅付近にかけての千葉市緑区誉田町区間です。
大網街道の南側には、おゆみ野や越智町、あすみが丘といった大規模に山を切り開いた住宅街が広がっています。京葉道路の蘇我ICから東へ、それら住宅街を貫く計画で「塩田町誉田町線」や「越知町土気町線」(あすみが丘の「あけぼの通り」)といった大網街道に並行する東西の幹線道路が部分的に開通しているものの、誉田町と越智町、あすみが丘をつなぐ区間が未整備となっています。
23日に大網街道を通行してみると、並行する塩田町誉田町線が途切れるあたりで、大網街道がノロノロ状態となっていました。バイパスとなる路線が未整備ゆえ、大網街道に負荷が集中している構造が伺えました。
これに対し、大網街道は昔ながらの2車線県道で右折レーンも満足ではなく、バスも多く走ります。右折車がいると車列が停止せざるを得ない状況が、混雑を激化させているようです。
「ここへ一気に水が流れてきたのか」の現場
一方、前出のとおり22日には旧外房有料道路の茂原側が一部復旧しました。この開通区間の起点となる大木戸IC(千葉市緑区)へ、おゆみ野などの住宅街の南側から山間部を回り込んで迂回する人も少なくないようです。
旧外房有料道路の大木戸IC。ここから茂原方面は復旧したが千葉方面はまだ。路面は汚れたまま(乗りものニュース編集部撮影)
ただ、大木戸ICのすぐ南側、大野台の交差点(土気緑の森工業団地の中心部)では、未だ道路に土砂が堆積し、乾いた砂埃を上げてクルマが行き交っていました。交差点のコンビニの駐車場には、動けなくなって放置されたままの水没車両の姿もあり、住宅街よりも一段低いこの場所に、大量の水が押し寄せたことを実感させるものでした。
旧外房有料道路が復旧すれば千葉~外房の移動は格段にラクになるかもしれません。しかし、高規格道路のためアクセスポイントが限られ、特に誉田町付近では「どこかしらで大網街道を経由しなければならない」状況はあまり変わらないと思われます。より広域な迂回ルートを平時から認識しておいた方がよいのかもしれません。
