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うわさの新型「軽戦車」まもなく登場? 時代遅れか未来形か 中国で進む「統合パッケージ化」

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中国北京で予定されている軍事パレードに、新兵器がいくつか初登場する見込みです。その中には、数年前から噂されてきた軽戦車も存在。時代遅れか、未来形か――現在確認できる手掛かりから、その軽戦車の詳細を分析します。

軍事パレードに新型軽戦車が登場か

 2025年9月2日、中国が北京で軍事パレードを実施します。これに向けて、参加する兵器の数々が中国のSNS「微博(ウェイボー)」に多く投稿されており、その中には初登場の新兵器もいくつか見られます。

Large figure1 gallery10新型の軽戦車。起立した車長は車体に配置されており、ロシアのT-14と同じレイアウトであることが伺える(画像:中国SNS微博(ウェイボー))

 その中でも注目したのは、105mm砲と思しき主砲を装備した軽戦車です。同じシャーシを使った歩兵戦闘車も見られます。公式情報はありませんが、投稿では新型軽戦車群をZTZ-201系としているものもあるため、記事中でもZTZ-201と仮称しておきます。

 実はこの軽戦車の存在は、数年前から噂されていました。2023年4月には「中国海軍陸戦隊仕様の新型戦車の想像図」と題されたCGがSNSに出回っており、そこにはホーバークラフト型揚陸艇から上陸し、攻撃ヘリの支援を受けつつ、アクティブ防御システム(APS)で敵の対戦車ミサイルやドローンを迎撃する姿が描かれていました。2025年になって登場したZTZ-201は、その想像図とよく似ています。

 今年投稿された画像から読み取れる外見的特徴としては、105mm砲を備える無人砲塔を搭載し、乗員はすべて車体内に配置されている点が挙げられます。ロシアのT-14アルマータ主力戦車と同様のレイアウトです。さらに、カメラと機銃を備えたリモートウエポンシステム、砲塔四面のレーダー、そしてアクティブ防御システムを備え、単なる火力支援車両に留まらない多層的な能力を持つと考えられます。

 中国はすでに、南部の水郷地帯やチベット高原などに対応する軽戦車として重量36tとされる15式を採用しています。ZTZ-201はその発展型と見られ、重量は約40t級と推定されています。

 とりわけ注目すべきは、防御と認識能力の強化です。車両には四面レーダーと10か所以上の光学ライダーが組み込まれ、360度の状況認識を実現。乗員はARグラスを装着し、拡張現実(VR)的な映像で戦況を把握しながら操縦・射撃を行うとされています。さらに、プラグインモジュールを備えたハイブリッドエンジンを採用し、低騒音の電動走行も可能とみられます。従来の15式軽戦車とは大きく異なる存在といえるでしょう。

 同じシャーシを用いた新型歩兵戦闘車(偵察・指揮車?)は、30mm機関砲の無人砲塔を装備し、車体後部にはドローン発着台とオペレーター席が設けられています。戦車・歩兵戦闘車・ドローンを組み合わせた「統合パッケージ戦力」として構想されていることは、明らかです。中国は軽戦車を未来戦に適応させるプラットフォームと位置づけているのです。

米中の軍事思想の違いが浮き彫りに

 一方、アメリカ陸軍が開発していたM10ブッカーは、同じく40t級で105mm砲を備えた「軽量戦車」でした。歩兵部隊への直接火力支援を目的とし、空輸可能な機動力を売りにしていました。しかし搭載センサーや無人システムとの連携は限定的で、重量はM2ブラッドレー歩兵戦闘車(約30t)を上回るなど、空挺部隊には過重な存在でした。最初に受領した第101空挺師団では扱いにくさが指摘され、持て余していたといわれます。

 M10は本来、歩兵旅団戦闘団に柔軟な直接支援火力を与えるコンセプトで始まったはずでしたが、開発の過程で要求が膨らみ、結果として重量級M1エイブラムス戦車(約67t)を縮小しただけの存在になってしまいました。そのため「コスト超過」「用途の曖昧さ」「無人機や精密誘導兵器の時代に合わない」との批判を浴び、2025年に調達中止が決定しました。ZTZ-201が登場するのと入れ替わるようなタイミングだったのも皮肉です。

 この対比は、両国の軍事思想の違いを浮き彫りにします。無人機が戦場を支配しつつある現代において、中国は軽戦車を「進化するプラットフォーム」と位置づけ、無人砲塔、APS、ネットワーク、ドローンとの連携といった最新技術を組み込んで「未来戦対応の統合兵器」へと可能性を模索しています。対してアメリカのM10は、時代に取り残された「ただの軽戦車」になってしまったのです。

 戦車は時代遅れなのか、それとも進化すれば未来戦の主役となり得るのか。中国のZTZ-201とアメリカのM10の対比は注目されます。正解は分かりませんが、南西諸島防衛を念頭に置く日本にとっても、中国のZTZ-201を中核にした戦車・装甲車・ドローン・ネットワークを一体化する「統合パッケージ戦力」の構想は装輪戦闘車ファミリーの整備を進める上で参考になりそうです。

 ちなみに、生産済みの約80両のM10については、アメリカ海兵隊が受け取りたい意向を示したとの報道もあります。海兵隊はフォースデザインの組織改編で戦車を廃止しましたが、代替装備の開発・配備が遅れて火力不足に悩んでいるからです。これは、中国のZTZ-201が当初は海軍陸戦隊向けとして語られていたこととも重なり、興味深い一致といえるでしょう。

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