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「まだ走れるのに!」大雪で高速道路がすぐ“通行止め”になる納得の理由 “夏タイヤ”混在と逃げ場のない構造が招く一発アウトの恐怖

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日本の雪は“重くて滑りやすい”特殊な性質

 大雪で高速道路などが通行止めになるたびに、SNSなどでは「まだ走れるのに」という不満の声があがるのを見ます。

Large figure1 gallery6日本の雪は特殊?(画像:写真AC)

 最近では大雪が見込まれる場合、渋滞や立ち往生の拡大を防ぐため、事前に「予防的通行止め」を行う運用も広がり、その認知度も高まってはいるものの、やはり自身が関係するとなると、ギリギリまで走れるように「封鎖は勘弁」と考えるドライバーが多いようです。

 この「予防的通行止め」を行うようになった背景には、2020年12月の関越道で最大約2100台の車両が滞留し、解消までに最大で約50時間かかったと報じられた事案が大きく影響しています。この事案を契機に、雪が強まってから止めるのではなく、最悪の連鎖を先に断つ必要があるという教訓が関係各所で共有されるようになりました。

 そもそも日本海側などの地域では、海から湿った空気が流れ込む影響で、雪自体が水分を多く含んだ“重たい雪(湿雪)”になりやすいとされています。加えて、いったん降った雪が踏み固められたり、融けてから再び凍ったりすると、路面は“氷の膜”のようになり、非常に滑りやすい状態になります。

 こうなると大型トラックなどは車両が重く、坂道や橋の上で路面が滑りやすいと、駆動輪が空転して動けなくなることもあります。

 こうした状態をできるだけ避けるため、早い段階から速度規制や通行止めを行うケースが増えているのです。

 また、海外の雪国と日本では、走っているクルマのタイヤ事情にも大きな違いがあります。例えばスウェーデンでは、冬の路面条件に応じて冬用タイヤの使用を法律で国として義務付けています。

 一方、日本では、積雪や凍結状態の道路を夏タイヤで走ることは都道府県の条例違反(反則金対象)になります。しかし、高速道路の規制区間のように物理的なチェック機能がすべての場所にあるわけではないため、冬でも夏タイヤのまま走り出してしまうクルマが一定数混ざってしまうのが実情です。

逃げ場のない道路構造と“タイヤの混在”が招くリスク

 加えて、スタッドレスタイヤを履いていたとしても、そのタイヤの質(性能)までいちいち判断されることはないため、劣化したスタッドレスタイヤであっても規制区間に入れてしまいます。

Large figure2 gallery7チェーン規制がなくても冬は準備を(画像:写真AC)

 結果、性能の異なるタイヤを履いた車両が混在していると、わずかな坂道で一部のクルマが動けなくなり、それが高速道路全体のマヒにつながるリスクをはらんでいるのです。

 さらに、日本の高速道路は山あいを走る区間やトンネル、高架橋が多く、両側を壁に挟まれた“逃げ場の少ない”構造の場所も少なくありません。こうした区間で立ち往生が発生すると、救助や除雪に向かう車両も近づきにくくなり、事態の収拾に時間がかかってしまいます。

 だからこそ、通行止めは「走れないから」ではなく、「走れるうちに止める」という発想に寄っていきます。道路をいったん空けることで、除雪車をまとめて投入しやすくなり、雪を寄せる場所や緊急車両の通り道も確保しやすくなります。

 それでも、予告や呼びかけを横目に、そのまま走り続けてしまう人は一定数います。そのなかには、「自分は大丈夫」と過信する人だけでなく、物流の都合で動かざるを得ないドライバーもいるのはわかります。

 ただ、個々のドライバーの事情をいちいち汲み取っていては、大きな判断はできません。また、その結果、前述したような大規模な立ち往生を引き起こしてしまっては本末転倒です。

 これらを鑑みると、予防的通行止めは、注意喚起が十分に伝わりきらないケースが出る現実を前提に、立ち往生の連鎖そのものを起こさないための“最後の盾”といえるのかもしれません。

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