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「背の低いSUV」なぜ増える? “らしさ”薄れていくSUV 狙いは何なのか

乗りものニュース

ライフ・美容

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トヨタの新型クラウンは、SUVを主体とした4つの車型で発表されました。こうした「背の低いSUV」が増えているのはなぜでしょうか。SUVはいま、SUVらしくなくなっているといえそうです。

全高1700mm台→1600mm台→「それ以下」が増加中

 SUVの人気は留まるところを知らないようです。あのトヨタ「クラウン」ですら、新型はSUVを中心とした4つの車型で発表されました。
 
 最近のSUVは、昔とちょっと変わってきたような気がします。どこが変わったかと言えば「高さ」です。それは新型クラウンのスタイリングにも如実に表れています。

Large 220714 suv 01新型クラウン。4つの車型のうち、セダンとSUVを掛け合わせた“クロスオーバー”が最初に発売される(画像:トヨタ)。

 もともとSUVは、舗装路ではなく、土の道、つまりオフロードを走るクルマをルーツとしています。デコボコの道を走破するためには、クルマの床面を高くする必要があり、その結果、全高も高くなっていました。そのためSUV=「背が高い」、というのが常識でしたが、最近になって「背の低いSUV」が増えてきているのです。

 たとえば、土の似合うSUVの代表格である「ランドクルーザー」は全高が1925mmもあります。「ランドクルーザー」は、車格自体が大きいので、全高の高さはとびきりです。また、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」は1740~1745mm、スバルの「フォレスター」は1715~1730mm。これら“オフローダー”のイメージのあるSUVは、すべてが1700mmを超えています。

 一方、売れ筋SUVのひとつ、トヨタ「RAV4」の全高は1685mm。ホンダの「CR-V」で1680mm、マツダの「CX-5」で1690mm、コンパクトなトヨタの「ライズ」でも1620mm。こちらはオフローダーよりも低めですが、それでも1600mmはオーバーします。セダンの全高は多くが1400mm台であることを考えれば、1600mmを超えるSUVは十分に「背の高い」クルマと呼べます。

 ところが、近年になって1600mmを下回るSUVが数多く登場するようになりました。

再熱? 背を低くする合戦

 その「背の低いSUV」のパターンのひとつが、小さなSUVです。トヨタの「ヤリスクロス」が1590mm、マツダの「CX-3」が1550mm、ホンダの「ヴェゼル」は1580~1590mm。これらはすべて全高が1600mmを下回ります。特に「ヴェゼル」は先代が1605mmであったところ、現行モデルになって車高を下げてきました。これらのモデルは全て、コンパクトハッチバック車と同じプラットフォームを使っている点も特徴です。

 パターン2となるのが、コンパクトSUVと同じように、乗用車のプラットフォームを使い、より背を低めたSUVたちです。プリウスと同じプラットフォームを使う「C-HR」は1550mm、レクサス「UX」は1540mm、「インプレッサ」の兄弟車となる「XV」は1550mm、「マツダ3」の派生となる「CX-30」は1540mm。これらのSUVは、他のモデルよりも明らかに背が低くなっています。輸入車に目をやれば、1580mmのルノー「アルカナ」も、同様に背の低いSUVとなります。

 これらの「背の低いSUV」は、どのモデルもオフロードではなく、街中を主なフィールドとしていることが特徴です。オフロード車とオンロード車、両方の要素を持つことを意味する「クロスオーバー」と呼んだ方が、ふさわしいかもしれません。

Large 220714 suv 02ランドクルーザー。全高1950mm(画像:トヨタ)。

流行から生まれた「街乗りSUV」

 冒頭で述べたようにSUVはオフローダーから普及し、「=背の高いクルマ」というイメージが定着しました。しかし、SUVが流行ってくると、オフロードを走らない人もSUVを買い求めるようになります。「荷物が積める」「流行っているから」「格好良いから」が主目的になるのです。その先駆となったのが、1990年代に登場したトヨタの初代「RAV4」や、「ハリアー」でしょう。

 そうした街乗りSUVが増えるほどに、オフローダーSUVの伝統から乖離したモデルが生まれてきます。ライバルが多くなれば、差別化が必要になるからです。さらに、古式ゆかしく(車台とボディが分離した)ラダーフレームを使うのではなく、乗用車と同じモノコックのプラットフォームを使ってSUVを作れば、背を低くするのも非常に簡単です。

偏りすぎじゃないの? 消えていった車種たち

 このように、SUVの流行で多用化が進んだ結果、その裾野が拡大して、背の低いSUVが生まれたわけです。そのぶん、他のスタイルのクルマが減っていきます。

SUV拡大のとばっちりを受けたのが、セダン、そしてステーションワゴンではないでしょうか。セダンとステーションワゴンは、販売数が減っただけでなく、モデル数も激減しています。

 個人的な思いを述べれば、街中で使うのであれば、SUVよりもセダンやステーションワゴンの方が実用的ではないでしょうか。街乗りには走破性が求められないので、床下を高める必要もありませんし、セダンやステーションワゴンの方が軽くなり、走る/曲がる/止まる、その全ての性能が向上します。もちろん燃費もよくなりますし、タイヤの消耗も減って経済的です。そういう意味で、今こそ、セダンやステーションワゴンを再評価すべきではないでしょうか。

Large 220714 suv 03スバルのレヴォーグは数少なくなった国産ステーションワゴンのひとつ(柘植優介撮影)。

 もちろん、流行が消費を促進して、その結果、経済が活性化するという側面があります。SUVがブームになることで、クルマの文化が熟成されたとも言えます。効率と流行、どちらも重要ですが、今はSUVに偏りすぎのように見えて仕方ありません。新型クラウンもSUVとして発表されたいま、ここいらでSUV人気を最高潮として、そろそろセダンに戻ってきてほしいと思うばかりです。

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