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「今さらバカにしているとしか」 高速道路“バイク料金”実現か それでもライダーが怒るもっともな理由

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国土交通省が高速道路料金の「車種区分や料金比率」の見直しに本腰を入れています。自動車が大きく、重くなったことを理由に挙げていますが、バイク目線から見ると、その説明は矛盾の塊。通行料金引き下げの署名活動は今も続きます。

バイクと軽自動車の差を今さら問題に?

「今さらバカにしているとしか思えませんよ」
 
 2024年3月下旬、東京モーターサイクルショーで高速料金の引き下げを要望する署名に賛同したライダーの1人が、この秋にも国が見直し方針を固める予定の高速料金や車種区分について、憤っていました。

Large 240403 bike 01写真はイメージ(画像:写真AC)。

 バイクの高速料金は、高速道路ができた半世紀以上前から四輪車と同額。5車種区分となった現在でも「軽自動車等」として軽四輪と同じです。

 しかもバイクは、2005年の法改正まで高速道路で2人乗り禁止でした。定員4人と定員1人、タイヤの数も、重さも違う四輪車と同じ料金は不公平ではないか――全国オートバイ協同組合連合会は、こうしたバイクユーザーの声を集め、署名とともにバイクの日(8月19日)に要望を繰り返してきました。

「国交省の有料道路課(現在の高速道路課)に要望をした最初の記録は1996年から残っています。この問題は関心が高く、入場者数が若干減少した今年のショーでも、署名数は前年を上回っています」(同専務理事)

 長年、要望を続けてきたバイクユーザーが、特に強い矛盾を感じるのが、高速道路課が2024年1月16日の国土幹線道路部会に提出した説明資料です。車種区分の検討の必要な理由を、資料では次のように解説しています。

「現行の5車種区分を決定してから30年以上が経過しており(略)車両諸元や高速道路の利用状況が変化してきた。その結果、二輪車と軽自動車との間の諸元の差が拡大傾向にあること等を踏まえれば(略)今後の車種区分のあり方について検討する必要がある」

 30年前と現在、クルマはどれだけ変化したでしょうか。「軽自動車等」の車種区分ではCBR400Rとダイハツ ミラが例示されました。CBR400Rの総排気量、車重、車格に変化はないが、ダイハツミラは総排気量で20%、車重で24%増えていると、説明しています。

 バイクユーザーは、まさにこのバイクと軽自動車の「諸元の差」を30年前から問題にしていたのです。資料には抜けていたCBR400Rの車重は191kg、ダイハツ ミラはグレードにより違いますが、2WDで970kgです。高速道路課はミラのたった190kgの重量増について問題にしているのですが、バイクと軽自動車の重量は30年前から3~4倍も違っていたのです。

手のひら返し=値上げの予告?

 これらをもとにバイクユーザーの要望は続けられましたが、歴代の担当課長は与党の国会議員にもこんな説明を繰り返してきました。

「バイクの車重は軽くても、空間占有率(※走行時の1台あたりが占める道路の広さ。車間距離などを含めた面積)は変わらない。高速道路利用で得られる受益は同じである」

 つまり、高速料金の引き下げを求めるユーザーに対しては、800kgぐらいの車重はバイクの車種区分を議論するには値しないと説明しながら、大学教授や新聞社の論説委員で構成される国土幹線道路部会の委員に対しては、たった190kgの差を理由に、車種区分を議論すべきと矛盾した説明をしています。では、今なぜ「諸元の差」を問題にしているのか。

Large 240403 bike 02東京2020オリンピック期間で値上げ中の首都高。昼間はバイクもしっかり1000円増しだった。2021年。

「あれは値上げの予告ですよね。バイクの料金区分を新設して、それをベースに全車種で高速料金を底上げするための。全体の議論もいいけど、先にバイク料金を値下げしてもらわないと、今までの不公平がなかった話になるじゃないですか」(前出のライダー)

 資料には「二輪車と軽自動車のみではなく、不公平感が生じないような区分とすることが重要である」と記載されています。公平な高速料金の公平とは何か、説明が求められます。

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