時代とともに移り変わるファッション用語。「ジーパン」を「デニム」と呼ぶのが主流になるなど、世代によって呼び方の異なるものが数多くあります。そんなジェネレーションギャップを感じる呼称の一つが、「タートルネック」へと呼び名が変化した「とっくり」。しかも最近では「タートルネック」だけでなく、「ハイネック」や「モックネック」という言葉も多く使われているようです。どのような変遷をたどってきたのかを探りました。
「ハイネック」と「モックネック」にも違いあり
いまや死語になりつつある「とっくり」は、首元をすっぽり覆う形状の襟を指す呼び名。熱燗などを飲むときに使う「徳利(とっくり)」と形が似ていることが由来とされていますが、SNS上では「若い子に通じなかった」とショックを受ける大人世代も多いようです。
ちなみに、「とっくり」の呼び名が広まったのはフォークソング全盛期。多くのアーティストがとっくりを着用していたため、全国へ広まったといわれています。
一方、長い襟を折り返して着用する「タートルネック」は文字通り、カメが甲羅から首を伸ばしている姿に似ていることが由来です。若い世代の人にとっては、「とっくり」よりも「タートルネック」の方がなじみ深い呼び方なのではないでしょうか。
そんなタートルネックと混同されがちな呼称が、「ハイネック」や「モックネック」です。どちらも高めの襟が特徴ですが、実は細かな違いがあるので要注意。「ハイネック」はタートルネックよりも襟が低く、襟を折り返さずに着用する服を指します。
「モックネック」は、ハイネックよりも少し襟が低い服のこと。「モック・タートルネック」の略称で、「モック」とは英語で「見せかけの」という意味があります。タートルネックほどではありませんが、やや高さのある襟デザインが名前の由来となったようです。
首元が曲線になっている「クルーネック」より襟が高いモックネックは、襟付きトップスが必須なゴルフウェアとしても注目されています。ハイネックとモックネックの間に明確な線引きはないものの、ゴルフ場によっては「ハイネックはOK」で「モックネックはNG」とされているケースも……。
ファッション界隈はサイクルが速く、慣れ親しんだ呼称が数年後には別の呼び方に変わっているかもしれません。ジェネレーションギャップを痛感させられないためにも、呼称も含めてファッショントレンドは常にチェックしたいものですね。
オトナンサー編集部