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欧州版 自爆ドローン兵器登場! 大量に送り込むのが大事? フランスの考える戦法とは

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欧州版シャヘッドドローン公開

 フランス・パリ近郊で開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ」において、欧州ミサイル大手MBDAは、新型の長距離ドローン兵器「DELUGE(デルージュ)」の実物大モックアップを披露しました。

Large figure1 gallery2 ユーロサトリに展示されたデルージュの実物大モックアップ。下の白い物体は新型巡航ミサイル「LCM(Land Cruise Missile)/NCM Mk2」のモックアップ(布留川 司撮影)

 これは高価な巡航ミサイルとは異なり、低コストで大量生産・大量投入することを前提に開発された新しいカテゴリーの兵器になります。「使い捨て型攻撃ドローン」や「片道型攻撃ドローン」と呼ばれるタイプです。報道などでは単に爆薬を積んだFPVドローンと同じく、「自爆ドローン」や「自爆型ドローン」と呼ばれることもあります。

ちなみにデルージュは大洪水や豪雨を意味する英語で、そこから比喩的に「大量に押し寄せるもの」という意味でも使われます。多数の機体を一斉投入して敵防空網を圧倒する、安価な無人兵器のコンセプトを象徴する名称といえるでしょう。

 そのコンセプトは、ロシアによるウクライナ侵攻や、2025年以降のイランとイスラエルの攻撃の応酬で存在感を示したイラン製「シャヘド136」などの自爆型ドローンと共通しています。

 シャヘド136は価格が約2万~5万ドル程度とされ、通常の巡航ミサイルと比べて大幅に安価です。その低コストを生かした大量生産・大量投入が可能なことから、2025年6月のイスラエルへの攻撃では初日に100機以上が投入され、防空網を飽和させる戦術が注目を集めました。

 デルージュは翼幅約3m、50kg級の弾頭を搭載し、小型ターボジェットエンジンによって約400km/hで飛行、最大約500kmの射程を持ちます。地上発射方式を採用し、事前に入力した座標へ自律飛行して攻撃を行う仕組みです。また、民間産業との連携による大量生産を前提として設計されており、2025年9月の初飛行から同年11月には初の実射試験を実施するなど、極めて短期間で開発が進められました。

 その成果を受け、フランス国防調達庁(DGA)は開発・生産契約を締結し、2027年には最初の量産機が納入される予定です。

ドローンと巡航ミサイルの連携

 MBDAは、このデルージュをどのように運用することを考えているのでしょうか。そのヒントは、ユーロサトリでの展示方法にありました。

Large figure2 gallery3迎撃機に追尾されるシャヘド型ドローン(画像:ワイルド・ホーネッツ)

 MBDAのブースではデルージュを単独で展示するのではなく、新型の長距離巡航ミサイル「LCM(Land Cruise Missile)/NCM Mk2」のモックアップと並べて展示していました。これは両者を組み合わせた長距離攻撃を想定しているためです。

 デルージュは敵のレーダーや地対空ミサイル陣地そのものを破壊することだけが目的ではありません。数十機規模で一斉に発射することで敵防空システムに迎撃を強要し、迎撃ミサイルやレーダー運用を疲弊させる「飽和攻撃」を実施します。その間に、防空網を突破した本命ともいえる巡航ミサイルが重要目標を攻撃するという役割分担が想定されています。

 さらにMBDAは、デルージュと同じコンセプトで、より大型・高性能のドローン兵器「CROSSBOW(クロスボウ)」も開発しています。同社は、デルージュによる飽和攻撃、クロスボウによる高価値目標への攻撃、そしてLCM(巡航ミサイル)による長距離精密打撃を組み合わせた長距離攻撃体系を提案しており、それぞれ能力の異なる兵器を連携させることで、防空網の突破力と攻撃効率の向上を狙っています。

 これまで長距離精密攻撃の主役だった巡航ミサイルに、低コストである片道型攻撃ドローンを組み合わせるという発想は、ウクライナ戦争で得られた教訓を色濃く反映したものと言えるでしょう。デルージュの登場は、巡航ミサイル単独ではなく、能力や価格の異なる兵器を組み合わせて防空網を突破するという、ウクライナや中東で見られる新たな長距離攻撃の発想が、欧州にも伝播したことを象徴する兵器となりそうです。

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