いわゆるゲリラ豪雨が頻発するなか、道路管理者が特に注意を呼び掛けているのが、立体交差などのアンダーパスです。冠水しやすい構造のため、「まだ大丈夫」と思っていると、命取りになる恐れがあります。
「冠水注意」と呼び掛けてはいるが
2021年7月現在、全国で極地的な大雨、いわゆる「ゲリラ豪雨」が頻発しています。7月11日(日)には東京圏でも局地的に天候が急変し、東京都江戸川区では夕方の10分間に34mmという極めて強い雨が降りました。
この時期、道路管理者が特に注意を呼び掛けているのが、立体交差のアンダーパスなど冠水しやすい箇所の通行です。たとえば埼玉県の国道を管理する国土交通省の大宮国道事務所ならびに北首都国道事務所は、7月9日(金)に県内のアンダーパスなど261の注意箇所を公表したばかりでした。
その筆頭に挙げられている第二産業道路の鳩ケ谷地下道(川口市、国道122号などとの立体交差)近くを、11日(日)のゲリラ豪雨時に通行したところ、「冠水注意」などの電光掲示が表示されているなか、多くのクルマが水しぶきをあげながら、アンダーパスをそのまま通行している様子が見受けられました。
川口市の鳩ケ谷地下道、通常時と冠水時(画像:埼玉県)。
国土交通省 関東地方整備局によると、現地でも注意喚起の看板などはあり、内部が冠水した場合は通行止め措置などもなされるものの、そこまで至っていなくても注意が必要だといいます。雨の強さによっては、アンダーパスのポンプ排水が追い付かず、急激に水位が上がるケースもあるからです。
総務省が2018年に中部地方の道路管理者を対象に行った調査では、特に近年、「想定以上で早期に(アンダーパスが)冠水してしまうことに各道路管理者は苦慮している」とされています。JAF(日本自動車連盟)の九州支部は以前の取材時、「脱輪や落輪により動けなくなると、あっという間に水位が上がる」と、その恐ろしさを話していました。
水深5cmでも油断できない!
JAFは、水深にして5cmから10cmほどの比較的浅い冠水路でも、慎重に運転するよう呼び掛けています。仮に道路が泥水をかぶっていると、水面下の状況がわからず、脱輪などで動けなくなるケースがあるからです。
この状況で水位が上がり、水がクルマのフロアまで入ってきた時点で、「その場から避難することを考えたほうがいい」(JAF九州支部)とのこと。やがて水圧でドアが開かなくなり、電気系統のショート、さらには窓が開かなくなる恐れもあるといいます。
冠水した国道17号「新大宮バイパス」(画像:大宮国道事務所)。
関東地方整備局は、「異常な集中豪雨が発生した時は、視界も悪く危険なため、一時的に通行を控えていただくか、やむをえず通行する場合には、冠水に十分注意してください」としています。また車両が水に浸かった後、水が引いたとしても、すぐにエンジンをかけるのは禁物です。漏電で車両火災が発生する恐れがあることから、JAFはロードサービスや販売店に連絡するよう呼び掛けています。
ちなみにウェザーニューズ社によると、2021年は7月から9月にかけて、全国でゲリラ豪雨が昨年比1.2倍にあたる約7万5000回発生する予想だそう。ピークは8月中旬から下旬の見込みだそうです。
