日本人にとって海外観光地の代表格であるハワイ。そこで気を付けたいのが現地の交通ルールです。なかなか厳しめな交通ルールの裏には、歩行者の命を守りたいという思いがあるようです。
「横断歩道以外で渡るな」「スマホも触るな」厳しいハワイ
「横断歩道以外の場所では絶対に道路を渡らないでください」
これは、筆者がホノルル滞在中にお世話になったハワイ州観光局の方の言葉です。理由は、それが法律で禁止されているからとのこと。じつは、ハワイの交通規則はアメリカの中でも特に厳しいそうで、ハワイの州法や条例などによりさまざまな行為が禁止されています。
ハワイの交通信号と標識(稲葉義泰撮影)。
たとえば、先述した「横断歩道がない場所で道路を横断する」行為に関しては州法で禁止されており、その罰金はなんと130ドル(約2万円)にもなります。
ほかにも、横断歩道を渡っている最中にスマホやゲーム機などの電子機器類を操作することが条例で禁じられています。つまり、横断歩道を渡っている最中に「ちょっと街の風景を撮影しようかな」と、スマホやデジカメで撮影しようとすることは、厳禁というわけです。
ハワイの交通法規が厳しい背景には、「ジェイウォーキング(Jay-Walking)」への対応というものがあります。「ジェイ(Jay)」とは英語で「おのぼりさん」を意味する俗語だそうで、転じて観光客などによる交通違反の行為を指す言葉とのこと。
じつは、ハワイでは歩行者と自動車との衝突事故が毎年数多く発生しており、死傷者の数も少なくありません。そこで、歩行者の安全を守るために、「ジェイウォーキング」に対する取り締まりを強化しているそうです。
ちなみに、日本でも都道府県や市区町村レベルで条例により歩きスマホを禁止したり、あるいは横断歩道中に限って電子機器類の操作を禁止したりする例が増えつつあります。スマホの普及に応じた交通安全は、万国共通の課題と言えそうです。