まいにちニュース ニュースを読んでいいねして、毎日たのしくポイントゲット!
  • まいにちニュース
  • 潜水艦の舵は「十」から「X」へ、どう進化? 45度傾けるのが効果的だけど難しい理由

潜水艦の舵は「十」から「X」へ、どう進化? 45度傾けるのが効果的だけど難しい理由

乗りものニュース

ライフ・美容

0

この広告はECナビポイント加算対象外です。
この広告はECナビポイント加算対象外です。

海上自衛隊の潜水艦、おやしお型とそうりゅう型は一見するとよく似ていますが、艦尾の舵の形がまるで違います。前者は十字形で、後者はX形、両者にどのような違いがあるのでしょうか。

そうりゅう型潜水艦のX舵が優れているワケ

 2019年11月6日(水)、川崎重工業神戸工場において、そうりゅう型潜水艦の12番艦「とうりゅう」が進水しました。同艦は、そうりゅう型の最終艦として2021年3月に就役予定です。

Large 191108 subx 012019年11月6日、川崎重工業神戸工場において進水した潜水艦「とうりゅう」(画像:海上自衛隊)。

 特徴のひとつは、艦尾の「X」舵で、これはそうりゅう型潜水艦に共通した特徴のひとつでもあります。実はこれが画期的なもので、前型であるおやしお型潜水艦までは十字の形をしていました。

 X舵と十字舵、単純に取り付け角度が異なるだけにも見えますが、もちろん両者には大きな違いがあり、わざわざそうしているのにも大きなメリットがあるからです。「X」と「十」で何が違うのでしょうか。

 そもそも潜水艦の舵は、海中という3次元空間を動き回れるように作られたものです。水上の艦艇とは異なり、潜水艦の舵には前後左右だけでなく上下への動きも求められるのです。従来の「十字舵」の場合、上下に設けられた縦舵が左右の動き、左右の横舵が上下の動きを担い、舵に求められる機能としては、これで必要十分なものです。

 これを「X舵」にする理由のひとつは、ダメージコントロールの観点からです。十字舵の場合、2枚ひと組で上下と左右の動きを担っているため、1枚が壊れると単純に可動部分が2分の1に減少することになります。

 これがX舵の場合、4枚で上下左右の動きを制御しているので、仮に1枚が損傷してもほかの3枚で舵の動きを補え、可動部の減少は4分の1で済むことになります。実際、十字舵は、海底に鎮座する場合は下の舵、接舷する場合は左または右の舵が接触するリスクが高いのです。これがX舵ならば、舵の接触率そのものが低くなるため、損傷リスクも低減します。

潜水艦、X舵の方が十字舵よりも機動性も向上

 また十字舵では舵を動かすのに油圧シリンダーを上下用1本、左右用1本の計2本用いていました。これは上と下、左と右の舵で同じ動きをするからです。それに対し、X舵は4枚の舵が全て異なる動きをするため、油圧シリンダーも4本あります。

 4本あると構造が複雑になる欠点はありますが、仮に1本が駄目になっても、動かなくなるのは4分の1です。ところが十字舵で油圧シリンダーが1本駄目になった場合、上下もしくは左右のどちらかが動かなくなってしまいます。ダメージコントロールという観点から、どちらが優れているかは明らかです。

Large 191108 subx 02横須賀で停泊中の海上自衛隊潜水艦。右2隻がおやしお型、左端がそうりゅう型。後舵の形状が異なる。(2018年6月、柘植優介撮影)。

 X舵にするもうひとつの理由は、X舵の方が十字舵よりも、舵1枚当たりの面積を大きくすることができるからです。

 上述したように、舵は接舷時や海底へ鎮座した際にぶつけて破損する可能性があります。よって従来の十字舵の場合、船体からはみ出させることはできず、船体の縦横最大寸法までに収める必要がありますが、X舵の場合、同じく船体の縦横最大寸法に収めても、√2倍の大きさにすることができるというわけです。

 同じ艦体サイズであった場合、舵が大きくなると、それだけ機動性も高くなります。十字舵のおやしお型と比べると、X舵のそうりゅう型は水中旋回性で約30%向上し、浮上する際の角度も15%大きくなっています。要はおやしお型よりも小回りが利き、浮上する際は素早く行えるということです。

4枚の舵を制御するのが難しい理由

 ではなぜ、潜水艦は最初から「X」舵を取り入れてこなかったのでしょう。それは「X」舵は制御が難しいからです。

Large 191108 subx 03おやしお型(手前)とそうりゅう型(奥)の後舵のアップ(2019年10月、柘植優介撮影)。

 十字舵は、前述したように上下2枚の縦舵で左右の動き、左右2枚の横舵で上下の動きを行います。ということは、上下の舵と左右の舵は動きが一緒で済み、細かな制御は必要ありません。だからこそ油圧シリンダーが2本のみで済むともいえるでしょう。

 コンピューター制御される前のはるしお型潜水艦までは、縦舵と横舵で各々操舵手が操作し、2名が連携しなければ潜水艦は3次元に動くことができませんでした。次のおやしお型ではコンピューター制御が導入されて、1名の操舵手で縦舵と横舵の両方を操れるようになりましたが、それでも細かい動きの制御までは難しく、後舵は十字のままでした。

 それに対しX舵は、4枚それぞれが違う動きを担うことで、上下左右に動いています。この4枚の舵、すなわち4本のシリンダーを同時制御するのが難しいため、そうりゅう型の登場まで海上自衛隊の潜水艦には採用されていませんでした。

 それがそうりゅう型で可能になったのは、舵の制御に、おやしお型以上に高性能なコンピューターが導入されたからです。コンピューターが4枚の舵を一括して制御するため、そうりゅう型の操舵はゲーム機のようなジョイスティックに一新され、ハンドル式の舵輪と比べてより細かな操舵が可能になっています。

 X舵はこのように、十字舵と比べて構造が複雑で制御が難しいというデメリットがあるため、導入している国は少ないですが、日本やヨーロッパでは主流です。性能的にはメリットが大きいため、今後日本の潜水艦はX舵になっていき、十字舵はおやしお型潜水艦が見納めになりそうです。

関連記事

※関連記事はポイント加算対象外です。

実はこの瞬間、お小遣いが稼げていました。

ニュースを読んでるだけで、お小遣いが貯まってたとしたら?そんなうまい話があるわけないと思いますか?実は本当なんです。

ECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなどいろいろ。

座談会に参加して6,000円!?

気になってたクレジットカードを発行して10,000円!?

いつものネットショッピングのポイントが実質倍に!?

※貯まる金額は一例です。

貯まったポイントは現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

無料会員登録はこちら
この広告はECナビポイント加算対象外です。
この広告はECナビポイント加算対象外です。

まいにちニュースの使い方

  1. 1.興味のある記事を選ぶ。
  2. 2.記事を読む。
  3. 3.いまの気分を表そう。
  4. 4.ポイントゲット

「まいにちニュース」について

ルール説明
  • ニュース記事を読み、4つの気持ちの中からいずれかを選ぶと最大で3ポイントがもらえます。
  • 2記事目、4記事目、5記事目に即時でポイントがもらえます。
  • パソコン版とスマホ版それぞれで1日3ポイント、あわせて6ポイントがもらえます。
  • ポイントをもらうのに有効なクリックは、各記事につき1回までです。
注意事項
  • 各記事ページにある「関連記事」はポイント加算対象外です。
  • ニュース記事の更新は随時行われます。
  • ポイント加算回数のリセットは毎日午前3時に行われます。