国内空港初、仮想フェンスで安全管理
北海道内7空港を運営する北海道エアポートは2026年7月21日、三共電気工業 千歳支店と共に、国内の空港では初となるデジタル安全バリア「AGシステム(Area Guard System)」を用いた実証実験を、新千歳空港で2026年8月より開始すると発表しました。どのようなものなのでしょうか。
新千歳空港(乗りものニュース編集部撮影)。
AGシステムは、三共電気工業が開発した空港向けの安全管理プラットフォームです。これはGPSを使った仮想フェンスであり、デジタルマップ上に「この先は立入禁止」という線を自由に引く技術であるといいます。線を越えた瞬間にスマートフォンが通知を行い、専用スマートフォンデバイスがデジタル安全バリアの突破を自動検知します。
今回の実証実験は、既存の運用対策や教育、ルールの遵守といった取り組みに加え、デジタル技術を活用して安全管理を高度化する取り組みの一環で、空港運営におけるさらなる安全性の向上を目的としています。
三共電気工業によると、新千歳空港は「8割、9割、定期便が終わってから23時からの現場」となっていると述べ、空港工事には一般的な建設現場の労働災害・電気災害対策に加え、空港特有のルールや事案が多いとのこと。「入ってはいけないところに入ってしまった」という事案を全国的に耳にすることがあり、「何かそれを最先端の技術を使って防ぐことができないか、というところから考えております」と、開発の発端が説明されています。
「カラーコーン」から大進化!?
また既存対策については、「紙の書類やカラーコーンを置くだけ」の方法には限界があり、「事前の周知やカラーコーンといった目視確認だけでは、人間の思い込みやヒューマンエラーをすべて防ぐことは難しいです」とも。これに対し、GPSを用いて立入禁止区域に近づくと専用スマートフォンが強く警告する「テクノロジーの見張り番」を開発したとしています。
なお、今回の実験では以下の項目を検証するとしています。
・新千歳空港の滑走路、誘導路、工事エリアなどにおける仮想フェンス設定の実行性
・作業員や車両の位置情報取得精度、検知スピード、警報通知の視認性
・将来的な北海道エアポート運営7空港への展開可能性 など
これにより、制限区域内工事における安全管理の高度化やヒューマンエラーの補完、作業員・車両の安全確保、ひいては航空機運航の安全性向上への寄与といった効果を目指すとのことです。
