イクラやタラコ、すじこといった魚卵は、その豊かな味わいに加えてご飯やお酒が進むため、家に常備しているという人も少なくないでしょう。しかし、食べ過ぎすぎてしまうと「健康に良くない…」と話題になることもしばしば。今回は、そんな魚卵の食べ過ぎが健康に悪影響を及ぼすのか、管理栄養士の桜井このさんに聞きました。
魚卵を食べ過ぎると塩分過多に 適量は…
魚卵にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
桜井さん「よく、『魚卵にはコレステロールやプリン体が多く含まれているため、痛風の原因になりやすい』と思われがちですが、実際にはそれらの含有量が突出して多い食材というわけではありません。むしろ、魚卵そのものにはビタミンA、B、E、亜鉛、カルシウム、DHA、EPAなどが豊富に含まれており、栄養価が高い食材と言えます。
一方で、魚卵は日持ちしないものが多いため、塩分、発色剤などの添加物が多く含まれています。塩分の1日の摂取目安量は6~7グラム以下ですが、魚卵を摂取すると、この値を超えやすくなってしまいます。塩分のとりすぎは主に高血圧、糖尿病、肝臓や腎臓の病気を引き起こす原因です。また、添加物についても肝臓で解毒する必要があるため、肝臓に負担がかかりやすくなります。
塩分のことを考えると、1日1食、ご飯のお供に食べるくらいにしておきましょう。それは他の料理に入っているしょうゆなどの調味料でも塩分は十分に摂取してしまうためです。塩分に気をつけていて、どうしても魚卵を食べたいという人は、既製品を買うのではなく、ご自身で減塩のしょうゆに漬け込むなどの工夫をして食べることで、塩分摂取量を減らすことが可能です」
複数の魚卵を一緒に食べるのは良くない?

「ウニ・イクラ丼」など魚卵同士を組み合わせたメニューもあります。同時に複数の魚卵を食べるのは大丈夫なのでしょうか?
桜井さん「違う種類の魚卵を同時に食べること自体は問題ないため、食べ合わせなどに気を配る必要はないでしょう。しかし、複数の魚卵を食べることで、総合的な摂取量が増え、結果的に疾患のリスクにつながる塩分や添加物を過剰に摂取することになるのは避けた方が良いでしょう」
【まとめ】魚卵の食べ過ぎについて
魚卵はちまたで思われているほど、コレステロールやプリン体の含有量が高いわけではなく、むしろ気をつけるべきは塩分や添加物であることがわかりました。おいしいからといって、多量に摂取するのは避け、適切な量を楽しむようにしましょう。
オトナンサー編集部
