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無数のレドームが異様! 巨大化した空自の新“カモノハシ”「スタンド・オフ電子戦機」まだ完成じゃない今後の計画

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初飛行した「スタンド・オフ電子戦機」既存のRC-2と何が違う?

 航空自衛隊は2026年3月18日、公式Xにおいて「スタンド・オフ電子戦機」が前日の17日に岐阜基地において初飛行したと発表し、その様子を映像で公開しました。

Large figure1 gallery6飛行するスタンド・オフ電子戦機(画像:防衛省)

 このたび公開されたスタンド・オフ電子戦機は、国産輸送機C-2の量産1号機(203号機)をベースに改造したもので、機首をはじめ機体各部に設置された無数のアンテナレドームが目を引きます。

 本機は、相手方の脅威圏外から効果的な電波妨害によって自衛隊の航空作戦を支援するのが主な任務であり、機内にはさまざまな電子戦装置が収納されていますが、その詳細な性能は世界各国の電子戦機と同様、明らかにされていません。

 これまでも、航空自衛隊には似たようなレドームを複数つけた支援機が存在しました。ただ、これら電子戦機は、大別すると電波情報を収集する航空機と、電波妨害(ジャミング)を行う航空機に分けられます。

 前者は、国産ターボプロップ旅客機YS-11を改造し機上電波測定装置を搭載した電子測定機YS-11EL/EBに始まり、現在はC-2を改造母機とする電波情報収集機RC-2に交代しています。RC-2は、C-2試作2号機(202号機)から改造開発された初号機を含め、4機が航空戦術教導団電子作戦群(入間基地)に配備される計画です。

 一方、電波妨害を行う航空機は、地上レーダーに対する電子戦訓練のため、アメリカ製輸送機C-46Dを改造し国産の機上電波妨害装置を搭載したEC-46Dに始まり、その後、対通信妨害装置を搭載した電子支援機YS-11EA、国産輸送機C-1を改造し訓練用ECM装置を搭載した電子支援訓練機EC-1が運用されてきました。

 今回、初飛行したC-2ベースのスタンド・オフ電子戦機は、後者の後継というべき機体で、航空幕僚監部の要求にもとづき防衛装備庁が主契約会社の川崎重工業とともに2020(令和2)年度から開発を進めています。

初代「カモノハシ」との違いと電子攻撃機のトレンド

 一部では、特徴的な外観からEC-1が初代「カモノハシ」、スタンド・オフ電子戦機は「カモノハシ2世」と呼ばれています。しかし、EC-1が訓練支援機だったのに対し、二代目は作戦機として運用される点が大きな相違点です。

Large figure2 gallery7航空自衛隊が運用する電波情報収集機RC-2(画像:航空自衛隊)。-

 加えて、航空自衛隊はすでにYS-11EAで通信妨害能力を、EC-1や2008年度から開発された戦闘機搭載型電子防御装置でレーダー妨害能力を備えていることから、スタンド・オフ電子戦機には新たにデータリンク妨害能力を要求しています。

 電子戦は、相手方の通信機器やレーダーに対して電波妨害などを行う「電子攻撃」、相手方から電子攻撃を受けた際に電波の周波数変更や出力増加などによって電子攻撃を低減・無効化する「電子防護」、効果的な電子攻撃・電子防護のため相手方の電波情報を収集する「電子戦支援」の3つに分けられます。この分類に従えば、スタンド・オフ電子戦機は「電子攻撃」が、姉妹機RC-2は「電子戦支援」が主な任務となります。

 他方で、アメリカを含む外国の事例に目を転じてみると、電子戦支援機はボーイング707旅客機をベースとしたRC-135のような大型機が多い一方で、電子攻撃機はEA-18G「グラウラー」のように既存の戦闘機、あるいはビジネスジェット機を改造母機とする機体が大半で、現代ではスタンド・オフ電子戦機のような大型機は少数派です。

 では、RC-2に続いて、なぜスタンド・オフ電子戦機の改造母機にもC-2が選ばれたのでしょうか。

空自のスタンド・オフ電子戦機はなぜ大きいのか

 理由の1つに挙げられるのが、少数の特殊任務機を運用していこうとしたときに、既に使われている機種を改造母機とした方が、整備・補給など後方支援の面で効率化できるという点です。これが国産機だと、改造の自由度が加わります。

Large figure3 gallery8防衛省の公開資料に明記されていた防衛体制強化の取り組み(画像:防衛省)

 もう1つは、相手方の脅威圏外から強力な妨害電波や欺瞞電波を放射するためには、開口部の大きなアンテナの方が望ましく、またアンテナの大型化に伴い強力な電源部や冷却能力が必要になることから、大きなプラットフォームの方が柔軟に対応できるというメリットがある点です。

 ちなみに、スタンド・オフ電子戦機の開発プロジェクトは2段階に分けて進行中です。

 まずはデータリンク妨害技術とマルチ電子戦プラットフォームを確立。その後、通信やレーダーの妨害能力を追加し、将来的には1機種で多様な妨害任務が可能な機体を目指しています。

 そのため、電子戦装置などのサイズや電源、冷却能力、通信、ソフトウェアなどの規格化を図るマルチ電子戦プラットフォームとすることで、部隊配備後に新規装置を追加する際に大規模な改修が不要となります。

 現在の計画では、スタンド・オフ電子戦機の開発は、第1段階が2026年度末、そしてフルスペック型を開発する第2段階は2032年度末に完了の見通しです。計画では4機を製造し、配備先は岐阜基地になる予定です。

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