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「脚」で川渡り、崖登る!? 異形の重機「スパイダー」災害復旧でも活躍! 日本にわずかの激レア機 関係者にハナシ聞いた

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能登半島地震でも大活躍した「スパイダー」

 愛知県名古屋市の国土交通省中部技術事務所で2026年2月21日(土)、さまざまな災害対策用車両の見学会が行われました。

Large figure1 gallery15特殊な足回りが特徴の油圧ショベル「スパイダー」(鈴木伊玖馬撮影)。

 照明車や衛星通信車などが並ぶなか、来場者の注目を集めたのが特殊な建設機械「スパイダー」です。一見すると、小径タイヤを履く装輪式のショベルカーといった感じですが、不整地や傾斜地で他の建機にはない大きな特性を発揮するとのこと。また、それを活かして能登半島地震でも活躍したそうで、担当者にハナシを聞いてきました。

 そもそも、スパイダーは日本で開発されたものではなく、スイスのメンツィムック社生まれです。最大の特徴はクローラー(履帯)の代わりに、タイヤが付属した4本脚を装備している点でしょう。この脚はそれぞれ独立して稼働し、普通の重機が入れない急傾斜地や山間部に進入できます。

 さらに、この脚部は2m程度まで直立できます。これにより、河川や海岸部など、水深数m程度の半水中といった現場での作業にも用いることが可能です。

 ショベル先端部分は360度、全周回転が可能です。用途に応じて、掘削バケットをグラップルやハーベスタ、削孔ドリル、杭打ちハンマーといったさまざまなアタッチメントに換装できます。しかも、この交換作業は操縦手が運転席に座ったまま行えます。

 この自由度の高さを活かし、スパイダーは災害時などで大きな活躍を見せています。

 たとえば、2024年1月に発生した能登半島地震では、石川県の珠洲(すず)市にある市道726号線の復旧作業に従事しました。この市道726号線では同年9月に発生した豪雨の影響もあり、土砂や倒木などが発生していました。

 通常、流木が混ざった土砂撤去作業は、土砂の除去をする重機と木の解体を行う重機の2台が必要になります。作業スペースが狭い場合には重機が場所を入れ替わらないと作業もできず、さらに効率が悪化します。

 しかし、スパイダーであれば流木を走破しつつ、適時ショベル先端の交換が可能です。そのため、作業スペースに余裕がなくても効率的に作業が進められたとのことでした。

 特別な車両だけに、日本全国で20台しかありません。価格は約1億円とのことで、これは通常のクレーン車の5倍近い値段だそうです。

巨大な岩を避けて作業することもOK!

 見学会では実際にスパイダーの展示運転が行われました。

Large figure2 gallery16通常の姿は小径タイヤを履いた装輪式ショベルカーといった感じだ(鈴木伊玖馬撮影)。

 始めに披露したのが、ショベル先端のパフォーマンスです。掘削バケットを真横に向けたまま固定して動かすこともでき、柔軟性の高さがうかがえます。また、アタッチメントの交換は思った以上に素早く、30秒程度で交換できます。

 次にスパイダーは盛り土を走破。通常の重機であれば、運転席は斜めに傾いてしまいますが、スパイダーなら脚部を動かすことで、運転席を水平に保ったまま、斜面を登れます。

 その後、ショベルを地面に突き立て、二本の脚部を持ち上げるパフォーマンスも披露。このときは、持ち上げた脚を器用に動かし、手を振るように見せるなど、重機と思えない動きを見せていました。

 この姿勢安定度の高さは実際の作業でも活用されています。例えば、4脚のうち、1脚を持ち上げて作業することも可能です。そのため、大きな石が障害物となっている場所においても、脚を置いて作業を進められたと話してくれました。

 最後はショベルを突き立てつつ、2本の脚を浮かしながら低地へ移動する操縦を披露。運転席を地面と平行に保ちながら、安全に地面に降りていました。

 重機と思えないような動きを見せるスパイダー。それだけに操縦するのは簡単ではないそうです。スタッフの方によれば、災害現場でその能力をフル活用するには大体2年くらいは習熟期間が必要とのことでした。

 操縦自体にもかなりコツがいるらしく、普通のショベルカーの操縦は上手いけれど、スパイダーの操作は苦手という人もいるそうです。ネックになるのはやはり足回りとのこと。

 価格も高く、操縦に技量も求められるスパイダーですが、それでもその柔軟性はとても貴重な存在のようです。特に普通なら複数の重機が必要になる場面であっても、走破性の高さとアタッチメントの切り替え機能によって、1台で作業を続けられるのは大きな長所になっているそうです。

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