アフターバーナーなしで超音速飛行!
2026年8月、スウェーデンのマルメン空軍基地で、スウェーデン空軍の100周年を記念する航空ショーが開催されました。この会場で航空機メーカーのサーブ社が、戦闘機グリペンシリーズの最新型である「グリペンE」を展示し、注目を集めています。
サーブ社グリペンの最新型「グリペンE」(細谷泰正撮影)。
グリペンEは、2025年10月からスウェーデン空軍への引き渡しが始まったばかりの最新鋭機で、現在もサーブ社で試験が続けられています。
大きな特徴は、エンジンを従来のF404から、より強力なF414に換装したことです。このパワーアップにより、空対空戦闘モードの状態では、燃料を大量に消費するアフターバーナーを使用せずに超音速で巡航する「スーパークルーズ」が可能になりました。エンジンの大型化に伴い、機体の胴体後部のサイズも変更されています。
グリペンEのもう一つの進化点は、機首に新たに追加された「IRST(赤外線探知追尾装置)」です。これは電波を出さずに熱源だけを捉えることができるため、敵に探知されるリスクを避けながら、目標を探し追尾することを可能にします。これにより、ステルス性が向上したと言えるでしょう。
軽戦闘機ならではの強みと販売戦略
スウェーデン空軍の現用主力機である「グリペンC」も、各種兵装とともに展示されました。胴体の下にはレーザー目標指示ポッドを装着した状態で、イスラエルのラファエル社製「ライトニングIII」もしくは「ライトニング5」の搭載が可能です。これにより、昼夜を問わずレーザー誘導爆弾といった精密誘導兵器を運用できます。
サーブ社「グリペンC」。スウェーデン空軍の現用主力機(細谷泰正撮影)。
さらに、ロッキード・マーティン社製の「スナイパーポッド」も運用可能とされています。この多機能ポッドを使えば、レーザー誘導だけでなく、高性能カメラによる画像データに基づいた目標識別や、遠距離からの偵察任務もこなすことができます。
このようにマルチロール(多用途)能力を達成したグリペンですが、兵器の搭載能力ではF-16などと比較すると少ないとされています。しかしその一方で、再出撃に要する作業時間が短く、少ない人数の整備要員で運用できるという、軽戦闘機ならではの強みを持っています。
スウェーデン政府とサーブ社は、機体の売却だけでなく、リースや中古機のアップグレードといった積極的な販売戦略を展開しています。この柔軟なアプローチにより、防衛予算が限られている国の空軍にも、今後採用が広がる可能性は十分にあるでしょう。
