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熊本の地震直後に海保の“空の目”が有明海を飛行! 実は災害派遣にも絶大な効果を発揮する「シーガーディアン」とは

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「令和8年熊本地震」で大型無人機が飛行

 2026年7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。熊本県宇城市と氷川町では最大震度7を観測し、熊本県内では建物倒壊、道路・橋梁の損壊、土砂災害などの被害が発生しています。

Large figure1 gallery4海上保安庁が運用するMQ-9B「シーガーディアン」(画像:GA-ASI)

 現地では自衛隊や消防、警察、自治体などによる救助・救援活動が続けられており、多くの航空機が被災状況の把握のために投入されています。

 そうしたなか、航空機の運航状況を表示するウェブサービス「Flightradar24」では、海上保安庁が北九州空港を拠点に運用するジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)製の大型無人機MQ-9B「シーガーディアン」が、有明海上空を飛行している様子が確認されました。

 同機は高度約1万9500フィート(約5900m)で一定の空域を旋回する飛行を続けており、地震発生後というタイミングや飛行経路から、被災地域の情報収集に当たっていた可能性があります。ただし、海上保安庁は記事執筆時点で、この飛行の目的について公式な発表は行っていません。

 シーガーディアンは、海上保安庁が日本周辺海域の監視能力を強化するため導入した大型無人機です。2022年10月から運用を開始し、2026年3月には北九州空港へ2機を追加配備。現在は5機体制で、日本の排他的経済水域(EEZ)や領海周辺で、不審船や密漁、海難事故などの監視にあたっています。

 通常は広大な海域で活動する機体だけに、今回のように有明海上空から被災地方面を飛行している様子が確認されたことは注目されます。海上保安庁はシーガーディアンについて、海洋監視だけでなく災害対応への活用も想定しており、2024年1月の能登半島地震でも、製造元のジェネラル・アトミックスは同機が捜索救難や災害対応を支援したことを明らかにしています。またほかにも、南方諸島や南西諸島の火山島や海底火山を対象として、定期的に航空機による監視・測量船による海底地形の調査を実施し、海底の変化なども詳細に報告しています。

長時間飛び続けられる無人機だからこその強み

 シーガーディアンが災害対応で力を発揮する最大の理由は、その優れた滞空性能です。

Large figure2 gallery5山火事で被害状況を観測するアメリカ空軍のMQ-1「プレデター」(画像:GA-ASI)

 海上保安庁によると、同機は24時間以上の連続飛行が可能で、メーカーは装備構成によって30時間を超える滞空能力を公表しています。有人機のように乗員の疲労や交代を考慮する必要がないため、一つの地域を昼夜問わず継続して監視できることが大きな特徴です。筆者が地震発生後の29日午前0時の時点で確認したところ、1機のMQ-9Bが有明海上空に留まり続けており、海や沿岸の環境変化を観測していることがうかがえます。

 また、機体には高性能な可視光カメラと赤外線カメラを搭載しており、昼夜を問わず地上の状況を確認できます。取得した映像やデータは衛星通信などを通じてリアルタイムで地上へ送信できるため、道路や橋梁の損壊状況、土砂災害の発生地点、孤立集落の有無など、被害の全体像を早期に把握することが可能です。

 海外でも大型無人機は災害対応で実績を重ねています。例えばアメリカでは2017年10月、カリフォルニア州で発生した大規模山火事に際し、カリフォルニア州空軍州兵第163攻撃航空団がシーガーディアンのベース機体でもある、MQ-9「リーパー」2機を投入しました。

この機体は赤外線センサーを使って延焼範囲をリアルタイムで把握するとともに、焼失した建物の位置をマッピングし、映像やデータをCAL FIRE(カリフォルニア州森林防火局)や州緊急事態局へ提供しました。運用開始から数日間で約7万7000エーカーをマッピングし、1300~1500棟の焼失建物を特定したとされており、長時間滞空する無人機の特性が災害対応でも大きな効果を発揮した事例となっています。

 日本でも大型無人機の導入は海上保安庁だけでなく自衛隊でも進められています。こうした機体はどちらかというと安全保障分野で注目されることが多いものの、今回のような大規模災害では広域の被害状況を継続的に把握できる「空の目」としても有効です。今後、大型無人機は防衛だけでなく、震災対応においても重要な役割を担う存在になっていくことが期待されます。

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