「ディズニー・イマジネーション」いったいどんな船に?
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(千葉県浦安市)は2026年10月14日、東京港・東京国際クルーズターミナルを拠点に運航するディズニークルーズの新造船名を「ディズニー・イマジネーション(Disney Imagination)」にすると発表しました。取材を続けると、海外のディズニークルーズとは大きく異なる、日本の船ならではのアレンジを加えていくことがわかりました。
発表されたディズニー・イマジネーションのイメージ。船尾にはアリエルが飾られる(深水千翔撮影)
「ディズニー・イマジネーション」は2029年春に就航するディズニー・クルーズライン・ジャパン初のクルーズ船となります。日本船籍のクルーズ船としては過去最大規模となる14万総トン級で、現在、ドイツの造船所マイヤー・ベルフトで建造が進められています。船尾にはディズニー映画「リトル・マーメイド」の主人公「アリエル」と宮廷音楽家「セバスチャン」が飾られます。
「ディズニー・イマジネーション」のベースは米ディズニー・クルーズライン初のLNG(液化天然ガス)燃料クルーズ船「ディズニー・ウィッシュ(Disney Wish)」(14万4256総トン)です。同クラスではすでに3番船の「ディズニー・ディスティニー」まで就航しています。
「ディズニー・ウィッシュ」級が投入されているのはポート・カナベラル(米フロリダ)を拠点にカリブ海を中心としたクルーズです。バハマ諸島にはディズニーのプライベートビーチ「ライトハウス・ポイント」や所有する島「キャスタウェイ・ケイ」があり、こうした所へ寄港してさまざまなアクティビティを体験できるのもセールスポイントの一つです。
一方で日本市場向けに投入される「ディズニー・イマジネーション」は東京を出港した後、伊豆諸島付近の海域を周遊して東京へ戻る無寄港のショートクルーズがメインとなります。
オリエンタルランド・クルーズの椎葉亮太郎社長は「日本船籍船として法令に合致するよう、アレンジを加えていくという部分がある」と話すように、日本国内で完結する運航を前提とした仕様にする必要があります。
当然、乗船するゲストも日本人が中心となるため、日本人の好みに合わせた様々な仕様とサービスが導入されます。
注力したのは「お風呂」だと!?
ディズニー・イマジネーションの日本人向けの仕様として、まず注力しているのが「風呂」だといいます。
日本船籍船としての特徴を話すオリエンタルランド・クルーズの椎葉亮太郎社長(深水千翔撮影)
「例えば日本のお客様は、バスタブでお風呂に浸かりたいというニーズがある。これは我々が運営するディズニーホテルなどでもニーズを把握しているので、そういったものに合わせていくことになる」と椎葉社長は話します。
実際、「ディズニー・イマジネーション」と同じマイヤー・ベルフトで建造された郵船クルーズのクルーズ船「飛鳥III」は、日本人向けに大浴場と露天風呂を船首側に設けました。
「食事についても、例えば麺類を食べたいというゲストがいらっしゃると思う。こうしたニーズに対応するため『ディズニー・イマジネーション』の船内には麺類を出すようなクイックサービスのファストフード系のレストランや、カウンターサービスを作ったりしても良いのではないかというアイデアがある」
4000人もの乗客定員を誇る「ディズニー・イマジネーション」にはディズニーの世界観を体験できる3つのダイニングレストランだけでなく、カフェやバーなど約30もの多様な飲食施設が設けられます。船内にはオリジナルの演目を繰り広げる1300人規模の劇場が備えられるほか、ステージショーやディズニーキャラクターとのグリーティングも楽しむことができます。また、限定商品などを取り扱うショップも用意されるとのことです。
「我々はパークやホテルでのノウハウから導き出しているが、例えば商品やお土産を買うゲストが非常に多い。これまで就航してきた姉妹船の大きさの商品設定では少し足りないだろうと思っている。こうした点でもアレンジを行っている」(椎葉社長)
オリエンタルランドではマイヤー・ベルフトに現地オフィスを構え、米ディズニーと連携しながら「ディズニー・イマジネーション」の建造に取り組んでいます。10月からは船底部分の建造を開始。2028年秋ごろにオリエンタルランドへ引き渡され、2029年春に就航する予定です。
乗船予約は就航日の半年前から受け付けを始め、最も多い客室タイプで1人1航海あたり10―30万円台の幅広い価格帯を用意していきます。
椎葉社長は「テーマパークで働いていると夏の暑い日は並ぶのはキツイという年配の方や、スリルライドに乗れないようなお子さんが出てきたりする」と述べた上で、「船の中であれば、暑いから今日は部屋の中でのんびりしていようとか、子供たちは船の施設で遊んでいるとか、そういうことができる。一人一人が楽しみ方を見つけ、船の中を探検するような感覚で、いろいろな体験をするのが良いのではないかと思っている」と話していました。
