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戦闘機の「超絶機動」どこまで可能? 70年前に米軍大佐が体験「自重の46倍越え」からの生還 カラダへの影響は?

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映画やアニメ、漫画などでは戦闘機パイロットが激しい機動に歯を食いしばりながら耐えるシーンがあります。そこで描かれているのは重力加速度「G」への耐性ですが、いったい人間はどれぐらいのGに耐えられるのでしょうか。

そもそも「G」ってなに?

 戦闘機が青空を切り裂く瞬間、人の胸中には言い知れぬ昂揚(こうよう)が走ります。映画やアニメに描かれる「超機動」すなわち、物理の常識を逸脱したような空中戦の挙動は、視覚的な鮮烈さだけでなく、見る者の感情をも深く揺さぶる圧倒的な魅力を備えていると言えるでしょう。

Large figure1 gallery2航空自衛隊のF-15戦闘機(画像:航空自衛隊)。

 とはいえ、こうした幻想的な機動は、果たして現実の戦闘機において再現可能なのでしょうか。この問いに迫るには、まず「G」という物理概念に対する理解が欠かせません。

 Gとは「加速度G(Gravity)」の略であり、物体が速度を変化させる際に発生する見かけの重力を表す単位です。基本的には、地球表面における重力加速度を「1G」と定義し、我々人類は常時この1Gのもとで生活しています。それゆえ、これを大きく上回る、あるいは下回る加速度を体感する機会は、日常生活において極めて稀です。

 たとえば旅客機の離陸時、我々は身体が座席に押し付けられる独特の圧迫感を覚えますが、それでも加速度は1.2G前後にすぎません。また、エレベーターが降下する際の一瞬の浮遊感も、1Gをほんの少し、小数点以下のごくわずかだけ下回る程度の加速度によるものです。それでも人間の身体は敏感に反応するのですから、戦闘機が生み出す加速度がいかに非日常的かは想像に難くないでしょう。

 戦闘機における加速度の主たる要因は「遠心力」にあります。航空機が旋回する際、機体には円運動の中心から外へと引っ張られる力、すなわち遠心力が生じます。この力はパイロットの身体に下方向、つまり座席方向へのGとして作用し、速度が高く、かつ鋭角に機動すればするほど、Gは飛躍的に上昇します。

 現代の主力戦闘機、たとえばF/A-18「ホーネット」やF-15「イーグル」などでは、機体が持続的に耐えうる加速度の上限は概ね7.3Gから9Gの範囲に設定されています。この数値は、機体の構造的強度と操縦者であるパイロットの生理的限界の双方を考慮したもので、それを基に機体も設計されています。

 たとえ、瞬間的にこの数値を超過しても即座に機体が崩壊するわけではありませんが、繰り返される高G負荷はフレームや接合部に微細な亀裂を蓄積させ、やがて致命的な損傷を招くリスクを孕んでいます。

70年前に出た! 前人未到の45G越え

 では、人間が9Gという加速度を実際に受けた場合、身体にはどのような反応が起こるのでしょうか。高G環境下では、血液が遠心力によって下半身へと引き寄せられ、脳への酸素供給が急速に減少します。これによりまず視覚障害が生じ、視界の周辺から灰色に染まっていく「グレイアウト」が始まります。

Large figure2 gallery3航空自衛隊のF-2戦闘機(画像:航空自衛隊)。

 さらにGが持続すると、視野は中心部まで暗転し、「ブラックアウト」へと移行します。最終的には意識を喪失し、「G-LOC」すなわちGによる意識喪失に陥ります。このG-LOCこそ戦闘機の操縦における最も危険な生理的現象のひとつであり、瞬時の判断と操作が生死を分ける戦闘機パイロットにとって、致命的な結果を招くことも珍しくありません。

 この限界を克服すべく、現代のパイロットは高度な訓練と専用装備をもって備えています。代表的なものが「Gスーツ」と呼ばれる加圧装備です。これは高G状態において下半身に圧力を加えることにより、血液の移動を抑制し、脳への酸素供給を維持する役割を果たします。

 さらにパイロット自身が、腹部に強く力を込めつつ短く息を吐く特殊な呼吸術を習得することで、意識の保持を図ります。とはいえ、これらの対策を講じたとしても、9Gを超える世界は明らかに人体の生理的な限界ギリギリであり、長時間の持続には到底耐えられないものと言えるでしょう。

 ただ、実験上ではそれを大きく上回るGに耐えた事例も存在します。1954年12月10日、アメリカ空軍の航空医学研究者であるジョン・ポール・スタップ大佐は、「ソニックウインド1号」と名付けられたロケット実験装置に搭乗し、前人未踏の46.2Gという加速度を体験しました。彼はこの試験により打撲傷を負ったものの、驚くべきことに意識を保ったまま生還し、後遺症も残さなかったといいます。

 スタップ大佐の記録は、人間が瞬間的に耐えうるGの極限として今でも語り継がれていますが、空中での機動飛行中にこれほどのGを受けることは、機体構造と操縦環境の両面において現実的ではありません。

 現実の戦闘機の機動は、現代工学と人体の限界のせめぎ合いの中で成立していると言えます。フィクションの世界で繰り広げられる空戦のロマンは、我々の想像力を刺激し続けますが、その背後には、重力と肉体、意識という、きわめて現実的な制約が静かに横たわっているのです。

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