能力・練度ともに向上する陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊
2026年8月16~22日、陸上自衛隊は北海道ひだか町の静内対空射撃場において国内2回目となる地対艦ミサイルの実射訓練、「令和8年度88式地対艦誘導弾年次射撃訓練」を実施しました。参加部隊は第3地対艦ミサイル連隊(北海道上富良野駐屯地)、そして第8地対艦ミサイル連隊(大分県湯布院駐屯地)です。
88式地対艦誘導弾の実射。今回の訓練には北海道の部隊だけでなく、九州の部隊も参加した(画像:陸上自衛隊)
偶然にも8月には、極東ロシア軍が北方領土で地対艦ミサイル訓練を実施しており、日露が同時期に類似の訓練を行うかたちとなりました。
陸上自衛隊は、これまで地対艦ミサイルの実射訓練を、遠くアメリカの演習地で行ってきました。射程が100kmを超えるミサイルの訓練に必要な海・空域の確保が難しかったからです。
しかし、ロシアや中国などの脅威が高まるなかで、地対艦ミサイル部隊により多くの訓練機会を与えるため、国内での訓練基盤整備が進んでいます。2025年6月には、国内初となる実射訓練が静内射撃場で実施されました。
また、今回の訓練で注目したいのが「ネットワーク電子戦システム(通称NEWS)」の参加です。おそらく、敵艦艇の発するレーダー波を捉えることで、地対艦ミサイルの目標位置特定に協力したものと推測されます。参加が確認された「電子戦装置IV型」は、レーダーに対する電波情報収集や妨害の能力を持つと言われています。
国内訓練基盤の整備、そして電子戦部隊との連携など、地対艦ミサイル部隊が練度・能力の両面で強化されていくことが期待されます。
