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ハヤシライスの「ハヤシ」って何? 巷に広まる「人名説」を一蹴する

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ハヤシさん発明説

 日本の伝統的洋食、ハヤシライス。皆さんは、この「ハヤシ」が日本人のハヤシさんに由来しているという話を聞いたことがありますか?

ハヤシライス(画像:写真AC)

 なかでも有名なのは、丸善雄松堂(まるぜんゆうしょうどう)の創業者・早矢仕有的(はやしゆうてき)がハヤシライスを発明したという話です。

 この発明説は戦前からありました。

ハツシドライス由来説も

 雑誌『食道楽』1939(昭和14)年6月号に、早矢仕有的の親戚である神戸の大塚書廊(しょろう)主人からの投書が紹介されていました(佐藤紅霞〈さとうこうか〉「正直聖天(せいてん)さん」)

 しかしその投書には、発明者は早矢仕有的としながらも、その名前は

「ハツシドライスからもぢつたものとも思はれます」

と書かれています。

早矢仕有的の親戚からの投書内容。『食道楽』1939年6月号からの引用(画像:近代食文化研究会)

 ハヤシライスの発明者は早矢仕有的ですが、その名前はHashed Riceに由来する、というのが、もともとの話だったのです。

ハヤシライスは東京が発祥?

ハヤシライスは東京が発祥?

 ハヤシライスの最古の記録は、浅草生まれ浅草育ちの作家・久保田万太郎が中学生の頃(1904~1906年)に食べたという証言です。ひょっとすると、ハヤシライスは浅草発祥なのかもしれません。

 久保田万太郎は、ハヤシライスは「Hashed beef あるひは、Hashed-rice である」と回想しています(「町々……人々……」)。

 なぜ中学生がハヤシライスの英語表記名を知っていたのかというと、戦前の洋食店の多くは、メニューに英語名あるいはフランス語名を併記していたからです。

 画像は、大正時代の大阪の「南海食堂」とカフェー「キャバレー・ヅ・バノン」のメニュー。

大正時代のメニュー。南海食堂(左)とキャバレー・ヅ・バノン(画像:近代食文化研究会)

 ちなみに大阪や名古屋では、Hashを「ハイシ」とよぶことがあります。

戦前は「ハヤシ = Hash」が常識だった

 このように、戦前はメニューに英語名が併記されていたため、ハヤシは英語のHashがなまった言葉である、ということは常識的なことでした。

 ところが戦後、メニューに英語を併記する習慣が衰退。また、ハヤシ・ビーフもメニューから消えてしまったため、人々はハヤシという名の由来を忘れてしまいました。

 そのため、早矢仕有的がHashから命名したという説が、いつのまにか「早矢仕有的が自分の名前をつけた」という説にすり替わってしまったのです。

 もうひとつ、人々がハヤシがHashに由来することを忘れてしまった原因があります。

 Hashed Beefはイギリスの伝統的料理ですが、現在のイギリスではその伝統が失われ、Hashというと「コンビーフとポテトの炒めもの」を意味するようになってしまったのです。これでは、ハヤシライスがHashed Beefに由来する、といっても誰も信じてくれません。

1861年発行『The Book of Household Management(家政読本)』のHashed Beefレシピ(画像:近代食文化研究会)

 そこで、明治維新の年に200万部を売ったという19世紀を代表するイギリスのレシピ本、ビートン夫人の『家政読本』から、160年前のHashed Beefを再現してみました。

160年前のイギリス伝統料理Hashed Beefを再現

160年前のイギリス伝統料理Hashed Beefを再現

 食べてみると、「たしかにこれはハヤシライスのハヤシだな」と思わせる味でした。

 ただし、日本のハヤシライスと異なり、油脂分ととろみが少なく、サラッとアッサリしています。Hashed Beefは日本に伝わった後に、ルーを入れたこってり料理に変わったようです。

 ちなみにレシピに書いてあるように、昔のイギリスのHashed Beefは「細切れ肉」ではなく「スライス肉」を使っていました。日本のハヤシライスがスライス肉を使用しているのは、イギリスの伝統を受け継いでいるからです。

 使用されている調味料、Harvey’s sauceやmushroom ketchupはグルタミン酸を含んだ調味料。トマトソースのトマトもグルタミン酸を含んでいますし、Hashed Beefはうま味を基調とした料理だったようです。

 これがご飯に合わないはずはありません。早速ご飯に乗せて食べてみました。

再現されたHashed Beef(上)とハヤシライス(画像:近代食文化研究会)

 やはりご飯にぴったりです。昔の日本人がHashed Beefからハヤシライスを生み出した理由が、わかったような気がしました。

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