美容師は日々、通行人の髪形やファッションを観察し、スキルアップに役立てているといわれています。実際に、どのような点に注目しているのでしょうか。来年以降に流行する可能性があるファッションや髪形も含め、美容院「Grace Avenue」(東京都港区)サロンマネジャーで美容師の原木佳祐さんに聞きました。
カラーの色味やツヤ感に注目
Q.そもそも、ファッションに興味があって美容師になる人が多いのでしょうか。それとも、ファッションにそれほど興味がなくても美容師になるケースもあるのでしょうか。
原木さん「髪形とファッションは切り離せない関係にあります。おしゃれの3大要素はファッション、ヘア、メークなので、髪形に興味があって服装には全く興味がないという美容師は少ないのではないでしょうか。特に、新規のお客さまの相手をする際は第一印象がすごく大事なので、服装が乱れているとお客さまに不安感を与えてしまう可能性があります。そのため、うまくトレンド感を取り入れながら、清潔感を意識した服装になるよう心掛けている人が多いです。
また、SNSで見かけるような個性的で自分のスタイルが確立している美容師は、ある程度ファンに支持されている場合が多いので、自己ブランディングが成り立っています。しかし、そのような美容師はごく一部。ほとんどの人はトレンド感を取り入れたファッションを意識しているでしょう」
Q.美容師は、通行人の髪形やファッションのどのような部分に注目しているのでしょうか。通行人を観察することで勉強になることは多いのでしょうか。
原木さん「着眼点は美容師によって異なるとは思いますが、見ているポイントがいくつかありますね。まず、カラーの色味やハイライトの入れ方などのデザインがその人に合っているかを見ます。『良い色だな、どのようにデザインしているんだろう』というのが気になるんです。また、ツヤ感を見ていることもあります。後ろ姿でツヤ感が目に留まるケースが多いです。正面からであれば、前髪の長さや顔回りのデザインなど、どのように切っているのかというのを見ます。純粋に似合っている素敵な髪形には、自然と目が行きますね。
反対に、個性的なスタイルの場合は、担当した美容師はどのようなことを考えてあの髪形にしたのかということが気になります。通行人のヘアスタイルは見ていると本当に勉強になるので、気にしていることが多いです」
Q.ヘアスタイルの流行は何年程度で変わることが多いのでしょうか。来年以降は、どのようなファッションやヘアスタイルが流行する可能性があるのでしょうか。
原木さん「ヘアスタイルの流行はファッションと連動しているので、導入期、成長期、衰退期のサイクルで3~5年程度で変化する傾向にあります。恐らく来年以降には、タイトな服装がトレンドになるのではないでしょうか。それに伴って、無造作でゆるいラフな感じよりも、きちっとしたキレイめなヘアスタイルが流行するのではないかと思います」
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美容師は、髪形だけでなくファッションにも興味があることが多く、通行人のヘアスタイルなども観察していることが多いと分かりました。おしゃれに興味があり、周囲を観察して日々勉強できる人が、美容師に向いているのかもしれませんね。
オトナンサー編集部