小学校の掃除の時間と聞くと、みんなでワイワイと掃除をする懐かしい時間が思い出されますよね。実は掃除の時間と聞いて、福島県の人だけが思い浮かべる“あるモノ”があるようです。一体どのようなものなのでしょうか。
掃除の際に「膝につける」
福島県の一部地域では、小学校の掃除の時間に「膝あて」が使われます。他県ではあまりなじみのないものですが、福島県では定番のアイテムのようです。
「膝あて」と聞くと、一般的にはバレーボール選手などが膝を保護するために使っている厚手のものを想像する人が多いかもしれません。最近では、DIYやガーデニングなど、膝をついて作業を行う場面で使用されることも増えてきました。
しかし、福島県の小学校で使われている膝あては、それらとは少し異なる作りになっています。素材は非常に薄く、やわらかい布製。膝の部分を包むような筒状の形をしており、掃除の際に膝につけることで、衣類の汚れを防いでくれるのです。
膝あての形状にはいくつかの種類があり、大きく分けて「アームカバー型」と「マスク型」があります。アームカバー型は名前の通り、腕に着けるアームカバーに似た筒状の布で、膝に通して使うタイプ。一方、マスク型は、布の両端にゴムがついています。ちょうど顔用の布マスクを、膝に装着するような形に。世代や地域によってアームカバー型とマスク型に分かれており、現代ではアームカバー型が主流のようです。
「膝あて」は小学校の入学準備品としても定番。給食袋や雑巾などと一緒に保護者が手作りすることが多いようですが、最近ではそれらを代行で製作してくれるサービスも充実しています。「膝あて」もフリマサイトには数多く出品されており、検索してみると色や柄などバリエーションに富んだものが多くみられます。
福島県民にとってはなじみ深い「膝あて」。こうした地域独自の文化を知ると、身近な生活の中にも意外な違いがあることに気付きます。全国共通だと思っていた何気ない習慣も、もしかしたら珍しい文化なのかもしれませんね。
オトナンサー編集部