“台湾版N700S”がいよいよ出荷へ
日立製作所と東芝などで構成されるHitachi Toshiba Supreme Consortium(HTSC)は2026年7月30日、台湾高速鉄道向けの新型車両「N700ST」第一編成の製造を完了し、日立の笠戸事務所から台湾に向けて出荷を開始したと発表しました。
今回出荷される台湾向け高速車両「N700ST」(画像:HTSC)
今回出荷されたのは、HTSCが2023年に受注した12編成(144両)のうちの1編成分(12両)です。この車両は、日本の東海道・山陽新幹線を走るN700Sをベースとしていますが、台湾高速鉄道のニーズや現地の環境にあわせて様々なカスタマイズが施されています。
N700STは1編成300mで、300km/hでの運転が想定されています。その先頭形状は、トンネル進入時の抵抗を抑える効果が期待されています。また、車両には炭化ケイ素(SiC)デバイスや走行風冷却システムといった改良が加えられ、機材の小型軽量化と電力消費の抑制を両立しています。
大きな特徴の一つが、停電などの電力喪失時にバックアップとして機能するリチウムイオン電池「SCiB」の搭載です。これにより、低速での自走が可能になるほか、車内の照明やトイレといった設備の利用を維持できるライフラインとしても機能します。
車内設備も充実が図られます。通常座席のほかに、座席がグレードアップしたグレーの車体のビジネスクラス車両を用意。全席に充電用コンセントが設置されるほか、フルカラーの液晶車内情報ディスプレイや二層式の荷棚なども装備されます。
バリアフリー設備も既存車両より強化されており、車椅子スペースの増設や授乳室の改良などが施されているとのことです。
導入が予定されている12編成の車両は、2028年末までに導入完了となる予定です。この新型車両の導入によって、ピーク時の輸送力は25%向上するものと期待されています。
