24年前に「半分だけ開通」した、ちょっと不思議なバイパス
国土交通省 関東地方整備局は2026年9月、国道51号「潮来(いたこ)バイパス」の事業再評価を行いました。
潮来バイパスの現在の終点。東関東道の建設中区間の高架をくぐる。突き当りで左折すると潮来ICへ(乗りものニュース編集部撮影)
潮来バイパスは、茨城県潮来市内で計画されている全長7.3kmの道路です。このうち現在事業が進められているのは、潮来市小泉から同市延方西までの1.2kmです。この区間は、2027年度の全線開通を目指して建設が進む東関東自動車道水戸線(潮来IC以北)に並行しており、いわば“側道”のような役割を担い、国道51号現道につなぎます。
他方、すでに開通済みの東側1.3kmは、2002年に県道(潮来佐原線)として4車線で供用されていますが、現在は実質的に「潮来ICのアクセス道路」として機能しています。
鹿嶋市の国道51号「鹿嶋バイパス」から北浦を新神宮橋で渡って潮来市に入ると、潮来バイパスに直結していますが、途中の丁字路で左折して県道潮来佐原線に入り、潮来ICへ向かう線形となっています。
いわば、潮来IC~鹿嶋市のメインルートとして24年前に半分だけ整備され、県道として供用していた国道バイパスが、新設区間の建設でようやくバイパスとして機能することになるのです。現道の51号で信号が連続して速度が低下しがちなJR鹿島線 延方駅周辺を回避することが可能になります。
なお、国道51号現道以西の4.8kmについては事業化されていません。
今回の再評価で、潮来バイパスは全体事業費が前回の約31億円から約40億円へ、約9億円増額される見通しであることも示されました。
増額の要因は、施工方法の変更や追加、材料費や労務単価の高騰のほか、道路状況を確認するためのCCTV(監視カメラ)や、その映像情報を転送する「情報BOX」を新たに設置する必要が生じたためとしています。
事業区間周辺は海抜の低い洪水浸水想定区域に指定されており、近年の大雨で周辺道路の滞水が発生しています。このため新たにCCTVを設置し、河川氾濫時の状況確認にも活用する予定だそうです。
事業費が増加したものの、費用便益比(B/C)は1.2と事業の妥当性を示す数値を確保。用地取得の進捗率は2026年3月末時点で約99%に達しています。ただし、完成年度は2027年度から3年延長の2030年度に再設定されました。関東地方整備局は引き続き工事を推進し、早期開通を目指すとしています。
