世界生産1億台! 暮らしを支える「日本のバイク」
日本では新しいモデルが登場すると、役目を終えたように見られがちな古くなったバイク。しかし海外に目を向けると、そうした1台が何年も、ときには何十年も現役として人々の暮らしを支えている例が数多くあります。なぜ、古くなった日本のバイクは、そこまで長く使われ続けるのでしょうか。
中古バイクのイメージ(画像:PIXTA)
その最大の理由は、丈夫で経済的なつくりにあります。代表格といえる1台が、ホンダ「スーパーカブ」です。ホンダの公式WEBサイトによると、スーパーカブシリーズは1958(昭和33)年の登場以来、「変わらない良さ」をもつロングセラーとして、世界生産累計1億台を達成。頑丈で燃費の良いエンジンと、誰にとっても扱いやすい設計が、世界中で長く支持される理由とされています。
日本でおなじみのこのバイクは、いまや世界各国で「生活の道具」として深く根づいています。ホンダによると、スーパーカブシリーズは160か国以上で、通勤や通学、配達といった日常の移動から、仕事やレジャーまで幅広く活躍しているといいます。
道路の状態や気候が日本とは大きく異なる土地でも走り続けられるのは、シンプルで頑丈な構造があってこそ。複雑すぎる仕組みに頼らず、扱いやすさと耐久性を追求した設計は、長く乗り続けたいユーザーにとって何より心強い存在になっています。
パーツを自作してでも乗りたい! ベトナムで証明された“カブの底力”
実際、ホンダ公式WEBサイトのコンテンツ「Cub Stories」では、1967(昭和42)年から1969年にかけての3年間で、約75万台のホンダ二輪車が南ベトナム(当時)へ輸出され、そのほとんどがスーパーカブだったと紹介されています。
壊れた原付のイメージ(画像:PIXTA)
その後、同国が経済封鎖された時代には、現地の人々が手作りでパーツを自作しながら乗り継ぎ、日本製の中古スーパーカブが大人気になったとも記されています。壊れにくく燃費のよいスーパーカブの底力が、過酷な現地の暮らしのなかで証明されていった時期だったといえるでしょう。
こうした長年の信頼の積み重ねは、現在の中古バイク市場における評価にもはっきりと表れています。バイク王&カンパニーが発表した「バイク未来総研」のレポートによると、国内の業者向けオークションにおいて海外バイヤーの存在感が年々増しているといいます。
また、日本国内で丁寧に使われていた中古バイクの状態のよさが高く評価され、「メイド・イン・ジャパン」という品質表示に加え、「ユーズド・イン・ジャパン(日本で使われていた)」という点も新たな価値として注目されつつあります。
日本では一歩引いて見られがちな古いバイクも、国が変われば、人々の暮らしを足元から支える立派な現役選手です。壊れにくく経済的で、生活の道具としてどこまでも頼りにできること——。そうした「道具としての頑丈さ」こそ、日本のバイクが世界各地で選ばれ続ける一番の理由といえそうです。
