領有権を巡って争いが続いている地域
フィリピン空軍は2026年10月6日、哨戒中のC-208が中国人民解放軍空軍の戦闘機から異常接近を受けたと発表し、映像を公開しました。
ロシアのSu-27SKをベースに開発されたJー16戦闘機(画像:中国人民解放空軍)
この事案は、バホ・デ・マシンロック(スカボロー礁)付近で行われた海上哨戒中に発生したとのことで、J-16戦闘機とみられる戦闘機2機が、繰り返しC-208の近くを機動飛行したとしています。公開された映像では、フィリピン機の周囲で位置を変えたり、その前方を横切ったりする様子が確認できます。
フィリピン空軍はこの行為について、「航空機間の安全な距離と、緊急時に対応できる時間を不必要に縮めるものだ」と批判。さらに、J-16によって発生する乱気流や気流の乱れがC-208の飛行性能に影響を及ぼし、揚力の低下につながることで、事故が発生するリスクを高める可能性があると指摘し、抗議しました。
中国側が「黄岩島」と呼称するスカボロー礁は、中国とフィリピンの双方が領有権を主張しており、主権については現在も決着していません。一方、2016年の南シナ海仲裁判断では、同礁がフィリピンのEEZ(排他的経済水域)内に位置し、同礁自体から独自のEEZや大陸棚を発生させることはできないと判断されています。
また、この仲裁判断では、中国が同海域におけるフィリピン漁民の伝統的な漁業活動を妨げたことについて、国際法上の義務に反すると判断されました。しかし、中国側は現在も同海域に海警などを継続的に展開しています。
なお、今回の事案について中国人民解放軍側は、フィリピンのC-208機が中国政府の承認を得ないまま、中国が領有を主張する黄岩島の上空に不法侵入したため、法令・規則に従って警告を発し、退去させたとしています。
