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酷暑、中傷、メダルをかむ市長…東京五輪は「アスリートファースト」だったのか

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後藤希友選手の金メダルをかむ河村たかし名古屋市長(2021年8月、時事)
後藤希友選手の金メダルをかむ河村たかし名古屋市長(2021年8月、時事)

 東京五輪が8月8日に閉幕しました。開幕前から、「アスリートファースト」が強調された今大会ですが、大会期間中、酷暑の中での競技実施や、参加選手に対するネット上での誹謗(ひぼう)中傷が問題となりました。8月4日には、名古屋市の河村たかし市長が、ソフトボール日本代表の後藤希友選手の表敬訪問を受けた際、後藤選手から首に掛けられた金メダルをかみ、ネット上では「無神経」「自分が中心だと勘違いしている」「リスペクトがない」などと批判が噴出しました。

 東京五輪は本当に「アスリートファースト」の大会だったのでしょうか。また、アスリートへの敬意を欠くような出来事が相次いだのはなぜなのでしょうか。一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事の江頭満正さんに聞きました。

「表敬訪問」形式が間違い

Q.まず、名古屋市の河村たかし市長がソフトボール日本代表の後藤希友選手の表敬訪問を受けた際、後藤選手の金メダルをかむという問題を起こした件について、どのように感じましたか。また、アスリートにとって、表敬訪問は本当に必要なのでしょうか。

江頭さん「オリンピックのメダルはアスリートにとって、数え切れない犠牲を払って、練習に打ち込んだ成果です。綿密にカロリー計算された食事を取り、恋愛や友人との時間を削り、何度も折れそうになった自分の心と闘って、コントロールできた人しか手にすることができないものです。オリンピックの金メダルはアスリートの『夢』そのものです。河村市長が金メダルをかんだのは、アスリートへのリスペクトが足りないためです。72歳の河村市長は20歳の後藤選手を孫のように見ていた可能性があります。

そもそも、メダルを獲得したアスリートが市長に『敬意』を示す行為である『表敬訪問』という形を取るのが間違いです。現実には市長がメダリストを称賛する場であり、このときの主役はアスリートなのです。そのため、協力してくれた自治体などを訪れるのは『成果報告』とすべきです。表敬訪問だと主役は市長で、アスリートから敬意を示された市長がメダリストを見下してしまう危険性があります。

今後、アスリートがさまざまな形でスポンサーや自治体を訪問することになると思いますが、訪問を受ける人たちはアスリートの成果をたたえ、奮闘をねぎらってほしいものです」

Q.今回の河村市長の件だけでなく、以前から、政治家がアスリートを自分をアピールするために利用しているように見えることがあります。

江頭さん「アメリカの話ですが、政治家がアスリートを利用した最初の記録が残っています。1924年9月29日、カルビン・クーリッジ大統領は、野球のアメリカンリーグのペナントを獲得したワシントン・セネタースを祝福するため、同チームの選手たちをホワイトハウスに招待しました。メディアの記者たちも人気選手と大統領の2ショット写真を歓迎し、多くの新聞でこうした写真が掲載されました。

クーリッジ大統領がセネタースを招待したのはホワイトハウスの芝生で、スター選手と写真を撮るためだったと考えられます。つまり、政治家がアスリートの注目度を利用した最初のパフォーマンスでした。なぜなら、クーリッジ大統領は同年11月に大統領選挙を控えており、選挙運動の真っ最中だったからです。セネタースをホワイトハウスに招待した影響は不明ですが、結局、選挙でクーリッジ大統領は圧勝しました。

また、アメリカンフットボールの優勝チームに対して、試合終了後に電話で祝ったのはリチャード・ニクソン大統領が最初です。1969年1月11日、スーパーボウルの勝利チーム、カンザスシティ・チーフスのロッカールームに電話をしたことが記録に残っています。その後、大統領によるアメリカンフットボールの優勝チームへの電話は慣例となり、今でも行われています。

一方、2018年にNBAチャンピオンになったゴールデンステート・ウォリアーズは同年2月、当時大統領だったドナルド・トランプ氏のホワイトハウスへの招待を辞退して、子どもたちと一緒に国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館を見学しています。この出来事により、大統領の招待を断れるほど、アメリカではアスリートが敬意を持たれるようになったことが分かります。政治家の好感度を上げるためにアスリートが協力する必要はありません」

Q.東京五輪では、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長らが「アスリートファースト」といった言葉を何度も口にしてきた一方で、気温が高い時間帯に行われた競技があったほか、水質が悪いといわれる東京湾でトライアスロンの競技が行われました。これらについてはどう評価しますか。

江頭さん「結果的に『テレビ中継ファースト』になってしまった印象があります。7月下旬~8月の開催も試合時間帯も、最も多くの中継料金を支払った放送局の意向に合わせたものになりました。ただし、テレビ局の意見を重視したのはIOCであって、日本の組織委員会ではありません。

お台場の水質問題は想定の範囲内でした。そもそも、お台場海浜公園は海水浴場としての水質基準を満たしていないため、遊泳禁止になっています。招致活動後に水質改善に取り組めば、遊泳可能になると日本の招致委員会は考えたのでしょう。その後、組織委員会は『(トライアスロン)史上最も都会的なコース』としてアピールしました。

2019年8月、お台場海浜公園を会場にトライアスロンとパラトライアスロンのワールドカップ大会が開催されました。しかし、パラトライアスロンは大腸菌の数が基準値を超えたため、アスリートを海に入れることを急きょ断念し、自転車とランのデュアスロンに変更されています。大会前日、台風により首都圏に大雨が降ったことで、隅田川から流れ込んだ水が水質の悪化を招いたと考えられます。

東京五輪のトライアスロン競技が行われた7月26日、27日も 台風8号の影響で関東甲信越にも強い雨が降りました。2019年と同様、隅田川からの水がお台場海域に流れ込んだと考えられます。開催決定が決まってから7年かけても、水質改善は不十分だったということです。招致を優先し過ぎた結果だといえます」

アスリートのタレント化も影響?

Q.大会期間中、参加選手に対するSNS上での誹謗中傷が相次ぎ、問題となりました。SNS上でのアスリートへの誹謗中傷が増えた背景や対処法について教えてください。

江頭さん「この問題はSNSが誕生する前からありました。1992年のバルセロナオリンピック200メートル平泳ぎで金メダルを取った岩崎恭子さんは、14歳で金メダリストになったことでマスコミに注目され、当時の宮沢喜一首相から、お祝いの電話を受けるシーンがテレビで何度も放送されるほどでした。オリンピック前、中学生の水泳選手にすぎなかった岩崎さんはその後、いたずら電話や自宅周辺での嫌がらせに悩まされました。

注目されれば、批判的なことを言う人は一定数出てきます。オリンピックでメダルを取れば、100万人単位の人に顔と名前が知られ、メディアへの露出も増えます。SNSの浸透により、簡単に本人に直接メッセージを送信できるようになったため、誹謗中傷の数が多くなったのでしょう。

誹謗中傷への対処法は、SNS運営会社か、各国のオリンピック委員が悪意のあるメッセージをブロックするしかありません。同時にアスリートに対して、誹謗中傷の対象になることも覚悟してもらわなくてはなりません。アスリートなら、スポーツマンシップにのっとり、『よき敗者』でいることもできると思いますが、観客にまでそれを要求することはできません。競技に負けた悔しさだけでなく、注目されることに対する他人からの嫉妬はアスリートにとって不可避だと思います」

Q.東京五輪を通じて、以前よりもアスリートが敬意を払われなくなっているように見えましたが、考えられる理由は。

江頭さん「アスリートに対して敬意が払われなくなっているのは社会や経済の要因、アスリート自身の覚悟不足が理由だと思います。第1に、バラエティー番組への出演やタレントとの交流を重視するアスリートが増加したこと、いわゆる、『アスリートのタレント化』です。これはスポーツ界もメディアも望んだ結果ではあるものの、アスリートへの畏敬の念が薄れる原因になりました。タレント化が進んだ主な原因は、スポーツで得られる収入をタレント活動で得られる収入が上回る人もいるためです。

第2に、スポーツ競技にお金がかかり過ぎることです。プロとしての収入が期待できない競技の場合、スポンサー契約が取れなければ、国際大会への参加費用など、アスリート自身が生計を立てなくてはなりません。つまり、ユニホームを脱げば一般人になるのです。アルバイトをするか、会社員アスリートとして仕事をしなくてはなりません。世界トップクラスのアスリートが放つオーラは、日常生活ではプラスにならないのです。

第3に、スポーツマンシップの理解が浅いことが考えられます。オリンピックに出場する全てのアスリートは日本トップレベルでHEROなのです。話す言葉はもちろん、態度や振る舞いなど、全てがお手本となるよう覚悟を決めなくてはなりません。今回の東京大会で日本は58のメダルを獲得し、子どもたちが憧れるHEROが誕生しました。チーム競技もあるので、100人前後のHEROがいることになります。彼らが今後、メディアに露出するとき、一秒たりとも気を抜かず、HEROらしく振る舞ってほしいものです」

オトナンサー編集部

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