明治安田生命Jリーグは今週末、J2第36節、J3第26節を迎える。J1はお休みとなるが、13日にはルヴァン杯準決勝・第2戦の2試合が行われる。徐々に勝ち点差は広がり、勢力図ができつつあるが、リーグはまだまだ続く。今節はどのような対戦カードが組まれているのか。注目試合や選手、見どころをピックアップした。
北海道コンサドーレ札幌対ガンバ大阪
明治安田生命Jリーグは今週末、J2第36節、J3第26節を迎える。J1はお休みとなるが、13日にはルヴァン杯準決勝・第2戦の2試合が行われる。徐々に勝ち点差は広がり、勢力図ができつつあるが、リーグはまだまだ続く。今節はどのような対戦カードが組まれているのか。注目試合や選手、見どころをピックアップした。
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注目カード(YBCルヴァンカップ準決勝 第2戦)
北海道コンサドーレ札幌対ガンバ大阪 10月13日 13:00
注目選手
GK:菅野孝憲(札幌)
MF:倉田秋(G大阪)
9日に行われたYBCルヴァンカップ準決勝・第1戦は、まさに激闘となった。パナソニックスタジアム吹田で開催されたこの一戦は、前半からお互いに激しい攻防を繰り広げ、引き締まった試合展開に。すると72分、北海道コンサドーレ札幌のMF白井康介がペナルティエリア内でハンドを犯し、ガンバ大阪にPKが与えられる。これをFW宇佐美貴史が冷静に沈め、ホームチームが先制に成功している。
その後、FKの流れからDFキム・ミンテがゴールネットを揺らし、一時は同点に追いついた札幌であったが、ATにMF倉田秋に劇的な勝ち越し弾を奪われ敗北。G大阪が重要な第1戦をモノにする結果となった。
そんな中、迎える第2戦。G大阪は引き分け以上で決勝進出が決まり、札幌は引き分け以下なら敗退が確定する。ただ、札幌の場合はアウェイゴールを奪っているため、1-0の勝利でも決勝進出を果たすことができる。お互いにとってこの試合での先制ゴールは重要なものとなりそうだ。
札幌の注目選手はGK菅野孝憲。同選手はルヴァン杯のグループリーグからフル出場を続け、チームを準決勝まで導いてきた。ファイナル進出へ向けても、この男の活躍は不可欠なものとなるだろう。
一方、G大阪の注目選手はMF倉田秋。第1戦で劇的な勝ち越し弾をマークし、チームを勝利に導いた。アウェイでの第2戦でも決定的な仕事を果たすことが求められるはずだ。
鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ
注目カード(YBCルヴァンカップ準決勝・第2戦)
鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ 10月13日 19:00
注目選手
FW:伊藤翔(鹿島)
MF:大島僚太(川崎F)
川崎フロンターレのホームで行われたYBCルヴァンカップ準決勝・第1戦は、お互いの明暗がハッキリと分かれる形となった。試合が動いたのは10分、MFレアンドロが右サイドを突破しクロスを上げると、これに反応したMF白崎凌兵がゴールネットを揺らし、鹿島アントラーズがアウェイゴールをもぎ取った。
しかし、27分にMF守田英正がゴールを挙げ前半のうちに同点に追いついた川崎Fは、82分にMF脇坂泰斗、85分にMF阿部浩之に得点が生まれるなど逆転。試合はこのまま3-1で終了し、川崎Fがファイナル進出へ大きく前進した。
鹿島にとっては第2戦をホームで戦えることができるとはいえ、かなり厳しいゲームとなることだろう。失点を許してはならないのはもちろん、最低でも2点を奪わなければならないのはかなり難しいミッションであると言える。第1戦でアウェイゴールを奪っていることは大きいが、大逆転でファイナルへ進むことができるか。
一方の川崎Fは大きなアドバンテージを得てアウェイに乗り込むことができる。県立カシマサッカースタジアムで1点でも奪うことができれば、決勝進出の可能性は大きく上がるだろう。ただ、第1戦のような立ち上がりの失点だけは避けたいところだ。
鹿島の注目選手はFW伊藤翔。エースのFWセルジーニョが負傷で離脱をしているいま、この男に懸かる期待は大きい。先発で出場できるかどうかはわからないが、短い時間の中でも結果を残すことができるのが同選手の魅力である。
川崎Fの注目選手はMF大島僚太。第1戦ではベンチスタートであったが、この男が試合に入ってから流れが変わったのは明らかで、勝利の立役者になったと言える。今回の試合でもチームにリズムと落ち着きをもたらすことが重要となるはず。悲願のルヴァン杯制覇へ、この男のパフォーマンスに注目だ。
徳島ヴォルティス対ファジアーノ岡山
注目カード(明治安田生命J2リーグ)
徳島ヴォルティス対ファジアーノ岡山 10月13日 14:00
注目選手
MF:野村直輝(徳島)
FW:中野誠也(岡山)
ともにJ1昇格プレーオフ出場権獲得に向け、シーズンを駆けている。徳島ヴォルティスは現在までに勝ち点55を稼ぎ9位、ファジアーノ岡山は同57を稼ぎ8位につけている。J1昇格プレーオフ圏内である6位・ヴァンフォーレ甲府の勝ち点は現在57。両者にとっては十分、射程圏内となる。
徳島は前節、アウェイで栃木SCと対戦している。試合は41分にMFヘニキに先制ゴールを許すなどリードを奪われた徳島が追う展開に。なかなかゴールネット揺らせない中、83分にMF岩尾憲が待望の同点弾を叩き出したものの、試合はそのまま1-1で終了している。
下位チーム相手に痛いドローに終わった徳島であったが、これでリーグ戦は8試合無敗。引き分けが多いのは事実だが、着実に勝ち点を積み上げていると言えるだろう。
一方の岡山は前節、アウェイで東京ヴェルディと対戦している。試合は開始わずか4分にDF李栄直がゴールを奪うなど東京Vが主導権を握るが、後半に入ると岡山のペースが加速。50分にMF仲間隼斗が得点を奪うと、83分にはMF上田康太が追加点をマークし、見事逆転勝利を収めた。
岡山はこれでリーグ戦6試合無敗。こちらも順調に勝ち点を積み上げている。さらにアウェイ戦でも現在4試合負けなし中と好調で、この徳島戦でもそうしたあたりの強さを発揮できるかに注目が集まる。
徳島の注目選手はMF野村直輝。同選手はリーグ戦直近4試合で2得点を奪っているなど好調を維持している。前節は累積警告のため出場できなかったが、その分の得点も岡山戦で奪いたいところだ。
一方、岡山の注目選手はFW中野誠也。今季途中にジュビロ磐田からやってきた24歳の同選手は、リーグ戦直近5試合で2得点をマークするなどまずまずの成績を収めている。現在はリーグ戦で3試合連続スタメン出場中と調子が上がってきているのは明らかで、徳島戦はその好調ぶりをアピールしたいところだろう。
FC町田ゼルビア対鹿児島ユナイテッドFC
注目カード(明治安田生命J2リーグ)
FC町田ゼルビア対鹿児島ユナイテッドFC 10月13日 15:00
注目選手
MF:平戸太貴(町田)
MF:牛之濱拓(鹿児島)
お互いに苦しい状況からの脱却を狙っているのは明らかだ。明治安田生命J2リーグ第35節を終えた時点で19位につけるFC町田ゼルビアと同20位につける鹿児島ユナイテッドFC。ともにJ2残留へ向け、この下位対決に懸ける意気込みは熱いだろう。
町田は前節、アウェイでV・ファーレン長崎と対戦している。2度もリードを奪われながらも粘り強く戦った町田は、後半終了間際まで2-2と白熱した試合展開を演じ、勝ち点1獲得にあと一歩と迫った。しかし、88分にFW大竹洋平に痛恨の勝ち越し弾を奪われ万事休す。2-3で敗れ、勝ち点を積み上げることができなかった。
町田はこれでリーグ戦6試合勝ちなし。前節の長崎戦で久しぶりの複数得点を挙げたことは評価できるが、なかなか勝ち切れない試合が続いている。降格圏となる21位の栃木SCとの勝ち点差はわずか「5」となっており、そろそろ浮上へのキッカケを掴みたいところだ。
一方の鹿児島は前節、アウェイでアルビレックス新潟と対戦している。前半10分過ぎまでは粘り強く対応していた鹿児島であったが、18分にFWレオナルドに先制を許すと守備が完全に崩壊。20分にFW渡邉新太に追加点を奪われると、その後レオナルドが追加で3点を奪取。最後はオウンゴールで失点を喫し、0-6の大敗で新潟を去ることになった。
鹿児島はこれでリーグ戦5連敗。失点数は同5試合で13となっており、反対に挙げた得点数はわずか2点となっている。攻守両面で課題は多く、得失点-30は現在のJ2リーグでワーストだ。降格圏の21位・栃木SCとの勝ち点差はわずか1で、最下位のFC岐阜との勝ち点差も4にまで縮まっている。今節で町田に敗れるようなことがあれば、降格圏に沈む可能性も高いだろう。
町田の注目選手はMF平戸太貴。今季途中に鹿島アントラーズからやってきた22歳のMFは現在リーグ戦で10試合連続フル出場中と調子が良い。前節の長崎戦では得点も奪っており、勢いは十分だ。今節でも結果を残し、チームを下位から救い出すことができるか。
一方の鹿児島の注目選手はMF牛之濱拓。無尽蔵のスタミナを持ち、攻守両面で大きくチームに貢献できる同選手は、現在までにリーグ戦で7ゴールを挙げているなど、チームの得点源として活躍している。今節での町田戦でもゴールネットを揺らすことが期待されているはずで、残留争い直接対決でチームに白星を届けたいところだ。
カターレ富山対ロアッソ熊本
注目カード(明治安田生命J3リーグ)
カターレ富山対ロアッソ熊本 10月13日 16:00
注目選手
MF:白石智之(富山)
FW:北村知也(熊本)
13日、明治安田生命J3リーグではカターレ富山(5位)対ロアッソ熊本(4位)の上位対決が行われる。舞台は富山のホーム・富山県総合運動公園陸上競技場だ。
富山は前節、ガンバ大阪U-23と対戦している。21分にFW白井陽斗に先制を許した富山であったが、その後は試合のペースを握りFW平松宗、MF花井聖の得点で前半のうちに逆転することに成功している。後半は67分にFW唐山翔自に同点弾を許すが、83分に再び平松が得点を奪い3-2で勝利。アウェイで貴重な勝ち点3を手にした。
これで富山はリーグ戦5連勝。同5試合すべてで複数得点を挙げており、反対に失点はわずか3つのみ。チームの状態はかなり良いと言えるだろう。
一方のロアッソ熊本は前節、アウェイでFC東京U-23と対戦している。試合は立ち上がりからホームチームペースで進むと、15分にFW田川亨介が先制点を奪取。47分にはMFユ・インスにも得点を奪われた熊本は0-2で敗北している。
一時はJ3リーグで首位に立っていた熊本だが、現在は4位にまで順位を落としている。2試合勝ち星がないなか迎える今節の富山戦は、J2昇格へ向け大きな山場となるはずだ。
富山の注目選手はMF白石智之。26歳のアタッカーはリーグ戦直近5試合で2得点を奪うなど好調を維持している。試合の中で放つシュート数も決して少なくはなく、今節も頼もしい存在として活躍してくれるだろう。
一方、熊本の注目選手はFW北村知也。同選手は現在までにリーグ戦で10得点を奪っているチーム最大の得点源だ。ここ最近は4試合で2得点とさすがの存在感を放っており、状態は良いはず。今節でもゴールネットを揺らせるか。