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【きょうの格言】「バリキャリ」である前に、「ふつうの生活を送る人」になろう

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仕事も家事もなんでも「ふつう」こなす
仕事も家事もなんでも「ふつう」こなす

みなさん、こんにちは。丸ノ内ミカです。

「火曜ドラマ 私の家政夫ナギサさん」(TBS系)が人気です。多部未華子さん演じる、家事の苦手なバリキャリ女子のメイ。そこに、大森南朋さんのオジサン家政夫、ナギサさんが現われて。。。という展開ですが、このドラマの話になると、「丸の内サバイバー女子会」のメンバーたちは「私も家事は苦手でめんどくさい。ナギサさんみたいな家政夫がほしい!」という意見が大半を占めたものの、「家政夫ほしい派」に否定的だったM央さんのコメントが妙に印象に残りました。

ドラマの主人公のメイと、ほぼ同い年のM央さん。でも、「キャリア」と「家事」に対する考え方は、メイとはだいぶ違うようです。

苦手な家事は「お金」で解決するバリキャリ女子

M央さんは今年30歳になったばかり。大手コンサルティング会社のリサーチ部門でデータ分析の仕事をしています。就職と同時に地方から上京し、現在は都内でひとり暮らし。そんなM央さんは、仕事はこの先もずっと続けたいけど、「バリキャリ」である会社の上司や先輩女性たちが、家事を自分でやろうとしないことに、どうしても違和感があると言います。

「私の上司はアラフィフの女性部長なんですが、すごく仕事のデキる方で、もとは一般事務職で入社されたようなんですが、途中で総合職に転向して、部長にまで昇った方なんです。会社の先輩女性には彼女に憧れる方も多くて。あの部長の下で働いていると言うと、『いいな~』とか『ランチセッティングして』とか、そんな反応が多くて。でも私は、部長に違和感をもってるんですよね。そんなこと先輩たちには言えないですけど」

M央さんがもっているバリキャリ部長への違和感は、仕事はバリバリ。なのに、ふだん家では料理も掃除も何もしないことでした。

「食事はほぼ外食みたいで、自宅にあるお鍋やフライパンとか、ほとんど使わずに放置してるとか、お味噌汁はインスタントしか作ったことないとか。外食のお店とかは、ものすごくよくご存知で、おいしいお店とかメディアに取り上げられているような人気のお店には詳しいんですよ。で、私とか若手女子たちに、『今度あのお店に連れて行ってあげるからね』とか誘ってくださるんですけど、私はそこまで行きたいとも思わなくて」

休日もほぼ外食だそうで、「身体にも良くないじゃないですか。実際、健康診断の数値が良くなくてフォローアップ検診を受けたとか、そういう話もされるんですよ。それなのに外食や飲み会を控えたりすることもなさらないみたいで。ミシュランとかもお好きなんですよね」と。

なるほど、なんともバブリーを絵に描いたようなバリキャリ女子のようです。

人生100年時代のキャリアの積み上げ方

そんなバリキャリ部長ですから、もちろん、「お金があれば、家事労働の時間も買える」といった考え方なのです。

M央さんは、

「部長やバリキャリ志向の先輩女性たちって、自力で完璧なパフォーマンスができないのなら、お金出してプロにやってもらうって。『家事』も仕事と同じスタンスでとらえているみたいなんですよね」

と、ちょっと呆れぎみです。

そもそも、「キャリア」とは何でしょう――。厚生労働省によると、キャリアとは「時間的持続性ないしは継続性を持った概念」(「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書)と定義づけています。就職や出世、現在の仕事などの結果ではなく、「働くことへの継続的なプロセスや、働くことにまつわる生き方そのもの」をいうようです。

つまり、女性の働き方が多様化する中で、今の「バリキャリ」という働き方は、バリキャリ部長のような女性が切り拓いてきたおかげで、定着した女性の働き方のひとつです。

しかし、時代は令和。バリキャリ部長が歩んできたような、女性がバリバリ懸命に働かなければ認めてもらえなかった時代と「今」とでは、は大きく違います。人生100年時代。会社も「人生100年時代のキャリア構築」の研修を用意する時代です。

M央さんは言います。

「私なんてまだ30だから、先がすごく長く感じます。マラソンじゃないけど、早い段階でバリバリやって飛ばしすぎちゃって、途中で息切れしたりとか、家事をお金で買って、手元にお金なくなっちゃったりとか。なんかそういうのがイヤなんです。仕事も家事も、そこまで力まなくても、もっと当たり前な感じで淡々とやっていきたいなと思うんです。バリキャリになる前に、『フツ~の生活を送る人』になりたいんですよね」

M央さんが、そう感じるように、いつも「バリキャリ」だと疲れますよね。それに最近では、男性もふだんからご飯を作ったり、お掃除をしたり、最低限の家事を当たり前と思ってご自分でやる方が増えています。昭和時代のような、家庭を顧みない「企業戦士」「モーレツ社員」の男性もまた激減しているのです。

もうおわかりですね。

バリキャリ部長のような女性たちが布石を作ってくれたおかげで、女性の働き方、キャリアの積み上げ方の選択肢が増えた現代は、キャリアへの向き合い方も次のステージに入っています。生きていくうえで当たり前の「家事」を誰かに丸投げし、「ふつうの生活」をなげうってまでバリバリ働くスタイルは、もう過去のもの。

これからは「バリキャリ」である前に、「ふつうの生活を送る人」であることが、新しいキャリアウーマンのスタイルなのかもしれません。

【きょうの格言】「バリキャリ」である前に、「ふつうの生活を送る人」になろう

それでは、また次回。(丸ノ内ミカ)

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