首都高グループが保有する通常「黄バイ」と呼ばれるレアなパトロールバイク。普段どのような場所で仕事を行っているのでしょうか。
日本最長トンネル事故用の緊急車両
2024年9月26日・27日に行われた「ハイウェイテクノフェア2024」の首都高速ブースでは、普段あまり見かけないレアなパトロール車両が展示してありました。「黄バイ」とも呼ばれる首都高パトロールの所有する車両です。
首都高パトロールのパトロールバイク(乗りものニュース編集部撮影)。
黄バイは、ホンダのCB400ベースで、首都高パトロールでは常時6台が動くようにしています。主な仕事は、全長18.2kmもある日本最長の道路トンネル「山手トンネル」の事故対応です。ブースの担当者は「山手トンネル内で、火災や事故のあった際の初動で動きます。なにかあったときにしか動いていないので、現場でお目にかかることはなかなか珍しい車両だと思います」と話します。
黄バイ隊は、2007年に山手トンネルが5号池袋線から4号新宿線まで最初に開通したのを機に発足。2024年現在はトンネルの南側に位置する大井基地、中央に位置する大橋基地、北側に位置する志村基地に2台ずつ分散して配備されています。「一番先に向かって入口の通行止めなどを行うのが主任務」とのことです。
トンネル内での事故の場合、スペースが限られておりパトロールカーでは到達まで時間がかかるため、機動性のあるバイクが先行し、現場の混乱を収めることで、トンネル内での二次災害を防ぐという目的があります。なお、警察の白バイと同じく緊急時に点灯させる赤ランプを装備しており、「民間では唯一緊急走行ができるバイクになります」と担当者は話します。
白バイとは違う特徴として、後続車の誘導などを行う関係でフロントだけではなくリアにも拡声器が付いているとのことです。また、乗る隊員は万一に備え、エアバッグとボディプロテクターを内蔵したベストを着用しているそうです。