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超人気アイドルから考える――もはやSNSはマスコミより影響力があるのか

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ライフ・美容

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「アイドル文化」においてメディアが果たす役割

 2020年。東京で2度目のオリンピックが開催される予定のこの年に、日本に「アイドル」的な存在が生まれて半世紀というメモリアルな局面を迎えています。

 この間に「アイドル」のイメージも、「アイドル」とファンとのコミュニケーションのあり方も変容してきました。

「アイドル」の姿を映し出し、「アイドル」とのコミュニケーションを媒介するメディアは、この国に「アイドル」をひとつの文化として根付かせました。そして好むと好まざるとにかかわらず、われわれの生活のなかに「アイドル」がいる社会的な風景を作り上げるという意味で、今も昔も重要な役割を担っています。

人気アイドルグループ乃木坂46の(左から)齋藤飛鳥、白石麻衣、秋元真夏(画像:(C)乃木坂46合同会社、明治)

 ファンにとってメディアは、自分が好きな「アイドル」(「推し」や「担当」)の情報を得るための、いわば彼女/彼らを愛(め)でるためのツールです。

 またそうではない者にとって、社会のなかのステレオタイプ化されたロールモデル(理想的な女性像/男性像)や規範(~するべきだ、または、~するべきではないという社会における考え方)を指し示しています。

 言い換えれば、何がマジョリティーにとって愛でられる存在なのか、最良の価値観であるのか(そのこと自体の是非はひとまず留保して!)を教えてくれる鏡として機能しています。

 そして「アイドル」をつくりだす者たちにとって、それはイメージをコントロールし、見るものの関連消費を促すことで何らかの利益を得るための格好の手段となるのです。

メディア = 「東京」だった時代

メディア = 「東京」だった時代

 どのような立場で「アイドル」にまなざしを向けるのかによって、このような相違は見込まれます。しかし、いずれにせよメディアは「アイドル」にとって欠くことのできないものであり、「アイドル」の移り変わりはメディアの移り変わりと不可分の関係にあると言えます。

「メディア」と口にするとき、われわれが想定するのは新聞であり、雑誌であり、テレビであり、「マス」・メディアです。また、マス・メディアを構成する人びと、機関としてのマスコミが長らくその中心にありました。

 同時にそうしたメディアの所在は、主要なマスコミの本拠地、情報の発信地であり集積地としての東京にあります。すなわち、「マス = 東京」という一極集中の構図が揺るぎないものとして横たわっていました。

 片や「アイドル」は、1970年代、カラーテレビが一般家庭に普及する時期に、若年層を中心に人気を博したオーディション番組や歌番組、雑誌メディア(アイドル誌)によって表象、受容されるようになりました。

 つまり、「アイドル」にとってのメディアは、「マス」であり東京であることが前提となっていたのです。

コミュニケーションは一方向から双方向へ

コミュニケーションは一方向から双方向へ

 この時分のメディア・コンテンツに目を向けると、「アイドル(歌手)」になることを夢見て上京し、夢をかなえて親孝行し(賞を取ったお祝いとして親を海外旅行に連れて行ったり、マイホームに招い)たり、故郷である地方に帰って恩返ししたりする、衣錦還郷(いきんかんきょう)の物語が紡がれています。

 こうした「アイドル」をみつめる同年代(10代~20代前半)の若者(児童・生徒が中心)たちは、「年齢的にも精神的にも近くて親しみやすい歌手」としての「アイドル」の夢物語を理想化します。

 また、かつて集団就職で「アイドル」と同じように都会に出てきた上の世代の人びとは、「アイドル」の姿に変わりつつある時代にかつての幻影をみて、「アイドル」のいる東京の風景を享受していました(※1)。

1971(昭和46)年の第13回日本レコード大賞で新人賞を受賞した南沙織。「元祖アイドル」と称されることも(画像:(C)ソニーミュージック)

 時は流れ、情報通信技術の発展により、われわれのメディアを介したコミュニケーションのあり方は70年代から大きく変貌しました。

 特に昨今のテクノロジーの普及の速さは目覚ましく(※2)、2000年代以降、インターネット常時接続環境が整い、会員制交流サイト(SNS)の急速な浸透、スマートフォンが普及しました。その結果、いつでもどこでも情報に接することができるようになるとともに、ソーシャルメディアによって誰もが情報の発信者、コンテンツのクリエイター(担い手)になることも可能になりました。

 同時に、それまでのマス・メディアの特権性は揺らぎ、情報の流れは、メディアに従事する一部の者(送り手側)からそれ以外の者たち(受け手側)へという、「一方向性から双方向性」への変容が強調されるようになっています。

「会いに行けるアイドル」登場の時代的必然

「会いに行けるアイドル」登場の時代的必然

 このようにマスからソーシャルという流れから、出版不況やテレビ離れ(テレビ番組の総体的な視聴率の低下)、度重なる甚大な災害時におけるマス・メディアへの不信感が増強しました。そのようなこともあり、「マス VS ソーシャル」という対抗図式のもと、ソーシャルメディア礼賛論、「ソーシャルメディアはマスの敵であり、マス・メディアにとってかわる」かのような言説が一時的に生み出されました。

 これに伴い、「アイドル」をめぐるメディア状況も一変します。「アイドル」がソーシャルメディアを使って情報を発信、ファンと交流するようになり、「アイドル」の活躍の場はもはやマスばかりではなく、ネットワーク上に拡大しているのです。

 それにより、かつてのように東京に行き大手芸能事務所に所属し、マス・メディアに登場することが「アイドルになる/である」ための絶対条件ではなくなりました。「アイドル」になるハードルが相対的に下がったとも言えます。

 また、「会いに行けるアイドル」というコンセプトのAKB48グループを筆頭に、「アイドル」とファンとが直接触れ合い(接触)、ライブパフォーマンスがなされる場所(現場)が重視されるようになることで、メディアを介したコミュニケーションよりも、じかにつながる感覚や空間に価値が見いだされるようになりました。

JR秋葉原駅近くにあるAKB48劇場(画像:(C)Google)

 2010年代に入り、「ご当地アイドル」(地域をPR、活性化させることを目的に活動するアイドル)ブームが到来したことが物語るように、「アイドル」の所在地は東京である必然性はなくなり、ローカルであることがかえって「アイドル」の真正性(本物らしさ)を高める要素となっていきます(※3)。

 折しも、「地方創生」の掛け声で、東京一極集中の解消が公的にも叫ばれていた時期とも重なります。

「マス・メディアの地位低下」は本当か

「マス・メディアの地位低下」は本当か

 このように、マスとしてのメディアの覇権的な位置づけはソーシャルメディアによって相対化されたことは否定できません。

 それによって、「アイドル」が描き出すもの、そして受容側が感じとるイメージも冒頭に記したようなマジョリティーから脱却し、多様性を帯びてくる可能性もあるでしょう。

 また、従来のマス(メディア業界側)にコントロールされないオルタナティブな「アイドル」像をファンとともに生み出す契機ともとれるかもしれません。

 ただし、事態はより複雑で、そう楽観視ばかりもできないようです。

「地上波番組出演」「オリコン上位」雑誌の「重版/完売」、そして「紅白出場」は「アイドル」にとっていまだに有名性を保証するためのステータスとして機能し、YouTuberはテレビに出ることで初めて一般的な認知度を得たと言えます。

 運営ノウハウを確立しないままのファンの過剰な介入は、「アイドル」の心身に危害を加えることを誘発する危険性をはらみ、実際に数々の「アイドル」たちがこうした弊害に悩まされてしまっています。

 つまり、ソーシャルメディア礼賛論は早計であり、マス・メディアの地位が低下したとも必ずしも言い切れないのです。

変容を続ける東京のイメージ(画像:写真AC)

 東京でのオリンピックイヤー。NHKの公式ソングを歌うのは、2020年をもって活動休止を予定する国民的アイドルグループのジャニーズ・嵐です。

 東京2020の向こうに、「アイドル」はどのような風景を描き出すのでしょうか。

参考文献:
※1 田島悠来『「アイドル」のメディア史 『明星』とヤングの70年代』森話社、2017年
※2 天野彬『SNS変遷史 「いいね!」でつながる社会のゆくえ』イースト新書、2019年
※3 田島悠来「「アイドル」文化と都市 : 「ご当地アイドル」をめぐる東京との関係」『帝京社会学』(32)、2019年

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