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8両編成なのに「前4両は乗れません」なんで⁉ 高蔵寺駅で発生する“車両封鎖”の謎 きっかけは万博

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平日夕方限定のレア光景! 高蔵寺駅の「ドアカット」とは?

 愛知県のJR中央本線にある高蔵寺駅では、他ではなかなかない珍しい光景を見ることができます。それが「ドアカット」と呼ばれる運行方法です。見られるのは平日の夕方限定、しかも17時以降、1時間に1本のみと限られます。

Large figure1 gallery10JR東海の315系電車(画像:PIXTA)

 どのような運行をしているのか、足を運んで見てきました。

 場所は、愛知県春日井市にある高蔵寺駅。春日井市は名古屋市の北側に隣接する人口30万人の街ですが、なかでもこの地域は、名古屋圏のベッドタウンとして開発された「高蔵寺ニュータウン」を有する、市内有数の人口密集エリアです。

 人口が多い地域だけに、駅も相応の規模があります。乗り入れ路線は2本あり、メインはJR中央本線です。この路線は名古屋駅と東京駅を結ぶ大動脈で、高蔵寺はその途中駅になります。

 もう1つが、愛知環状鉄道線です。環状とありますが、こちらは高蔵寺駅を始発とし、愛知県岡崎市にある岡崎駅を結ぶ路線となっています。

 愛知環状鉄道の年間利用者数は1700万人前後で、決して小さくはありません。しかし、JR東海の中央本線に比べるとさすがに小さな路線です。今回の「ドアカット」は、それら路線の規模感によって生まれたといえます。

 ドアカットを行うのは、JR中央本線から愛知環状鉄道へと乗り入れる、名古屋駅発・瀬戸口駅行きの8両編成の電車です。名古屋駅から高蔵寺駅までは、中央本線の他の電車と同じように停車駅では全車両のドアが開閉します。変化があるのは高蔵寺駅に到着してから。まず高蔵寺駅で乗客が下車すると、一旦全車両のドアが閉め切られます。

 その後、車掌が乗客を後方4両に誘導しつつ、前方4両の貫通扉をロック。それが終わると後方4両のドアだけが開き、乗客を迎え入れます。この際、前方4両のドアは閉まったままとなり、乗り降りできません。この一部の車両のドアだけを開閉させない状態を「ドアカット」と言います。

理由は愛知万博? 上下線でホームの長さが違う奇妙な駅

 ドアカットを実施する理由は次の中水野駅で判明します。こちらは高蔵寺駅と比べてホーム長が格段に短く、前方4両がホームからはみ出してしまうのです。

Large figure2 gallery11高蔵寺駅に停車中の瀬戸口駅行きの315系電車(鈴木伊玖馬撮影)

 とうぜん、ホームがない前方4両からは乗り降りできないので、乗客の利用を円滑(安全)にすべく、あらかじめ高蔵寺駅でドアカットを行っているのです。また、ドアカット中は車内の案内表示器でも後方4両のみが表示されるなど、特殊な見せ方となっています。

 なぜ、中水野駅はこれほどホームが短いのでしょうか。それは、愛知環状鉄道線で運用されている電車が2両か4両編成しかないからです。そのため、ホームの長さは4両の電車を受け入れられれば十分です。しかし中央本線から直接やってくる315系の電車は8両固定編成です。そのためドアカットという方式で運行されているのです。

 なお、終点の瀬戸口駅のホームは8両編成の電車が止まれるため、このドアカットは中水野駅と瀬戸市駅で行われています。

 ただ、面白いのが平日朝に運行される瀬戸口発名古屋行きの電車です。こちらも同じ8両編成の電車が使われますが、ドアカットは行われません。これは中水野駅も瀬戸市駅も名古屋・高蔵寺方面行きのホームには8両分の電車が止まれる長さがあるためです。

 実は中水野駅と瀬戸市駅はもともと単線として運用されていました。しかし2005年の愛知万博の際、輸送力強化を目的に複線化されます。前出の2駅の瀬戸口方面側(下り)のホームはこの時に設けられましたが、愛知環状鉄道の基本編成に合わせて4両分の長さで造られたため、双方の駅とも進行方向によってホームの長さが異なるという特殊な構造になったのです。

 さまざまな事情が絡んだ結果、高蔵寺駅のドアカットが見られるのは平日夕方に限られています。レアな光景ですが、ドアカットの準備作業そのものは5分程度かかるため、電車好きな方はじっくり見て楽しめるでしょう。

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