F-35よりも防空システムを重視。
補償のためかF-35の開発協力国だったことは強調
トルコのハカン・フィダン外相は2024年2月4日、ロシアから購入したS-400地対空ミサイルシステムによる防空網を維持する意向を示しました。
S-400地対空ミサイルシステム(画像:ロシア国防省)。
これは1月31日、トルコに訪問中だったアメリカのビクトリア・ヌーランド国務副長官代理が「S-400の問題を解決できれば、アメリカはトルコをF-35ファミリーに戻す可能性がある」と発言したことを受けてのものです。
フィダン外相は自国のニュースチャンネル「A Haber」のインタビューで、「この能力(F-35)と引き換えに他の能力(S-400)を手放さなければならないという条件があるならば我々は代替案を探し続ける」とし、元々トルコがF-35の顧客ではなく、開発及び生産パートナー国のひとつであったことも強調しました。
アメリカは、再三の警告にも関わらず、トルコがロシアから「S-400」を購入した関係で、2019年にF-35戦闘機計画からトルコを排除しています。S-400を通じてロシアにF-35のレーダー波・ミサイル誘導電波の探知能力が漏れることを懸念したためです。そのため、トルコがF-35のために投資した約14億ドル(2000億円)の資金は無駄となり、返還もされていません。