天気予報では、「一時」「時々」「のち」という言葉が使われることがあり、気になったことがある人は多いと思います。これらの言葉はどのように使い分けられているのでしょうか。また、「天気予報では『いい天気』『悪い天気』と表現してはいけない」という話を聞くことがありますが、本当なのでしょうか。天気予報のルールについて、気象予報士のきりたんさんに教えていただきました。
天気予報で主観的な表現は使わない
Q.天気予報でよく登場する「一時」「時々」「のち」は、どのように使い分けられているのでしょうか。具体的な基準について、教えてください。
きりたんさん「どの表現においても、一定の予報期間のうち、異なる現象が発生した際に用いられるワードですね。例えば『晴れ一時曇り』は曇りの状態が連続的に発生することが想定され、予報期間のうち曇りの時間帯が4分の1未満の場合に用いられます。一方、『晴れ時々曇り』は曇りの時間帯が2分の1未満の場合とやや割合が多くなります。『晴れのち曇り』は予報期間内で2つの異なる現象が発生すると予想されるときに使われます」
Q.「天気予報では『いい天気』『悪い天気』と表現してはいけない」という話を聞くことがありますが、本当なのでしょうか。
きりたんさん「一般の人が『今日はよく晴れていい天気だね』と言うのは問題ありませんが、天気予報としてはあまりにも主観的な表現となってしまうため、気象予報士が使うことはありません。ここでいういい天気というのは晴れ、悪い天気は雨を指すと思うのですが、すべての人がいつでも晴れを望んでいるわけではありませんよね。
例えば何日も雨が降らず暑い日が続いていて、水不足が懸念されるような状況であれば、雨が降ってほしいと願う人が増えても不思議ではありません。このように状況によって『いい』『悪い』というのは変化することもあるため、避けるべき表現と言えます」
Q.天気予報で天気の情報だけではなく、「洗濯」に関する情報も伝えるのはなぜなのでしょうか。
きりたんさん「近年はドラム型など、乾燥機能が優秀な洗濯機が増えてきましたが、日本はいまだに洗濯物を屋外に干す習慣が多い国だと思います。『洗濯物を干せるかどうか』という視点で天気予報をご覧になる人も多いということで、洗濯情報を別途説明しているケースが多いです。
ちなみに洗濯物が乾きやすい条件は、『太陽の光が十分にある』『適度な風が吹いている』『空気が乾燥している』の3点です」
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私たちは普段、何気なくテレビの天気予報を見ていますが、気象予報士が使う言葉にはそれぞれ明確な条件や意味があるのだそうです。こうした表現をどんどん覚えていくと、次の日の服装や行動パターンに悩まなくて済むようになるかもしれませんね。
オトナンサー編集部