タンパク質の摂取量を増やすために、日々の生活でプロテインバーやプロテインシェイクなどを取り入れている人がいます。これらの食品を食事に置き換えた場合、1日におけるタンパク質の摂取目安量を満たすことは可能なのでしょうか。タンパク質を効率的に摂取するのに役立つ食材のほか、プロテインバーやプロテインシェイクの上手な取り入れ方について、管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。
プロテインバーで摂取可能なタンパク質は10~20グラム
Q.そもそも、プロテインバーやプロテインシェイクなどを食事に置き換えることで、1日に必要なタンパク質量を摂取できるのでしょうか。
桜井さん「厚生労働省が発表しているデータによると、日本人の1日におけるタンパク質の摂取量の目安は50~60グラム程度といわれています。また、健康的な食生活を目標とした、『炭水化物』『タンパク質』『脂質』の3大栄養素の摂取量を算出できる『PFCバランス』を用いると、1日に100グラム以上必要とするケースもあるようです。
一方で、プロテインバーやプロテインシェイクなどで摂取できるタンパク質の量は10~20グラム程度です。そのため、残念ながら1食分を置き換えたからといって、1日分のタンパク質の摂取目安量にすぐに届くわけではないですね」
Q.1日におけるタンパク質の摂取目安量を満たすために、どのような食べ物を積極的に食べるとよいのでしょうか。
桜井さん「タンパク質が多く含まれる食べ物は肉や魚、卵、乳製品などです。肉で言うと鶏むね肉や鶏のささ身などに多く、これらの部位は脂質とのバランスも良いため、健康的にダイエットをしたい人にとってもお勧めです。魚介類では、カツオやマグロなど赤身の種類に多いです。
また、乳製品に含まれるタンパク質は体内に吸収されやすい性質があるため、運動後や成長期のお子さんなどにも積極的に摂取していただきたい栄養素の一つですね」
Q.プロテインバーやプロテインシェイクを活用するときの注意点について、教えてください。
桜井さん「プロテインバーやプロテインシェイクなどは、あくまで『栄養補助食品』です。確かにタンパク質は摂取できますが、そのほかに添加物や甘味料なども含まれていますし、たくさん摂取したり、食事に置き換えたりすることで健康になれるわけではないのです。
過剰摂取することにより、健康になるどころか腎臓や肝臓に負担がかかり、思いもよらない不調を来すリスクさえあるため、あくまで普段の食事をサポートするという形で取り入れていただくのが良いと思います」
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プロテインバーやプロテインシェイクはあくまで「健康補助食品」であって、食事との置き換えは推奨しないということです。添加物などが含まれていることもあり、カロリーもその分摂取することになるので、できるだけ食事でタンパク質を補いたいところですね。あくまで普段の食事のサポートという役割で、健康補助食品を取り入れていきましょう。
オトナンサー編集部