寝心地はどうなんでしょう?
前線の兵士は負傷兵を寝かせるだけ
ウクライナ戦略産業省は2024年5月30日、国防省および国軍参謀本部と共同で遠隔操作する担架型ロボットの実証試験を行ったと発表しました。
担架型のロボット(画像:UNITED24)。
担架型のロボットは最前線から負傷兵を寝かせた状態で遠隔操作により救急搬送するために製造されたそうで、タイヤ式と履帯(キャタピラ)式の2タイプがあります。
負傷者搬送のために前線の兵士が現場を離れることによる戦力の低下や、従軍している医師・看護師などが移動中に攻撃を受ける危険を防止することが主な目的で、アンナ・グヴォズジャル戦略産業副大臣は「これらの装備は前線で必要であり、負傷者と軍医の両方の命を救います」と話しました。
実証実験にはオレクサンドル・シルスキー軍総司令官も参加し「最新のロボット車両を使って負傷者を搬送することは、極めて重要なことです。戦場から適切な医療を受けられる場所まで兵士を避難させるのに必要な時間を短縮することができる」とロボットによる負傷兵搬送の重要性について見解を示しました。
同じく実証実験に参加していたイホル・シチェルバコフ中佐によると、戦場では、衛生兵や負傷兵を運んでいる兵士などは狙われる対象になりやすいとのことで、夜間の搬送が常態化している前線もあるのが現状のようです。そのため、すぐに運べば助かるはずの将兵が戦死してしまうケースもあります。
これらの担架ロボットは既に前線で使用されているケースもありますが、数は少数のようです。戦略産業省は追加資金を調達する方法を模索しており、今回の実証実験もそのアピールを兼ねています。
なおテストには、ウクライナの国内企業7社が参加し、ほかにも負傷兵搬送用の装甲車、救急車など計9点の製品が公開されました。