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「ハイエースは変わらなければならない」 挑戦の途中の“ハイエースコンセプト”JMSで披露 もはや「走る部屋」だぞコレ

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トヨタがシャパンモビリティーショー(JMS)2025において、「ハイエースコンセプト」を世界初公開しました。実際に見てみると、まさに次世代の「ハイエース」のコンセプトを伺わせる内容でした。

「こ、これは資材小屋じゃ…」 2種のハイエースコンセプト披露

 トヨタは2025年10月29日、ジャパンモビリティーショー(JMS)2025において、「ハイエースコンセプト」を世界初公開しました。実際に見てみると、まさに次世代の「ハイエース」のコンセプトを伺わせる内容でした。

Large figure1 gallery25ハイエースコンセプト(乗りものニュース編集部撮影)

 ハイエースは言わずとしれた商用バンの代表モデルであり、建築や工事資材を積んで現場へ向かったり、バスのように多くの人を載せたり、はたまたキャンピングカーのベースとして部屋のような内装を施したりと、その使われ方は多種多様です。ロングタイプにハイルーフタイプなど、様々なモデルを用意してニーズに応えています。

 今回のハイエースコンセプトは2種類用意されており、いずれも「部屋」のような使い方を鮮明にしていました。

 まず、何よりも目立つのがドアで、2台ともフロントドアとスライドドアを開け放っていました。Bピラーを排したピラーレス構造のため、開口幅は2m以上に及ぶのだそう。ダイハツの軽自動車「タント」の特徴である「ミラクルオープンドア」のような利便性を、ハイエースサイズで展開しています。

 なおかつ、床が低くフラットなため、ほとんどかがまずに乗り降りができます。クルマに乗り込むというより、ノンステップの路線バスや電車に乗る感覚のほうが近いかもしれません。

 2台のうち1台は「移動診療所」のような内装のもので、救急車に使われるハイエースと同じハイルーフタイプにしているといいます。内部にはカウンターや椅子が配置され、後ろ向きにした運転席に医師が座り、フロア側の患者を診察しているような光景をイメージできるものでした。

 もう1台は通常タイプで、内部にハシゴや建築資材を積んだ、街でよく見かける“現場のクルマ”といったコンセプト。ですが、ハシゴはフロア内に横倒しにして収まっているほか、内部に棚を配置するなど、もはや「走る資材小屋」といった印象です。

「ええ、そう言っていただけるように作りました」と、説明員も力を込めました。

ハイエースは変わらなければならない

 ハイエースは、グローバルにおいては2019年2月にフルモデルチェンジされ、新型の300系が投入されています。この乗用車タイプは日本でも「グランエース」として一時期導入されていました。

Large figure2 gallery1ハイエースコンセプト、ハイルーフタイプ(乗りものニュース編集部撮影)

 しかし、日本のハイエースは、2004年に登場した旧型の200系のままで、かれこれ21年前のモデルです。

 これはモデルチェンジしないのではなく“できない”と言うべきでしょう。なぜなら、300系は大きすぎて、日本のニーズには全く合わないからです。

 このハイエースコンセプトは、小型貨物自動車に分類される「4ナンバーサイズで作った」ことが会場では強調されていました。すなわち、全長4700mm未満、全幅1700mm未満、全高2000mm未満というサイズです。それより大きくなると1ナンバーの普通貨物自動車となってしまい、維持費が上がってしまいます。

 それでも「ハイエースは変わらないければならない」と説明員は話しました。

 ハイエースコンセプトは300系と同様、ボンネットのないキャブオーバー型から、短い鼻先を持つセミボンネット付きボディとっています。これは「衝突安全性能を満たすために必要なこと」だと話します。

 つまり、200系のサイズ感を維持したうえで、ボディの刷新で安全性能を大幅に高め、かつ、進化したユーティリティを具現化することに挑戦したのが、このコンセプトモデルというわけです。

 ピラーレス構造の強度をはじめ「課題はまだ多い」とのことですが、今回のコンセプトから、次世代のハイエースの方向性が見えてきそうです。

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