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「この外車、どこの…?」でも引き受ける スゴ腕自動車工場が「世界の自動車メーカーの95%以上に対応」できるワケ

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トラクターからアメ車・ドイツ車・イタフラ車なんでも来い!

 乗っていた外車が故障した際、「どこに修理をお願いすべきか」と悩む方も多いはず。現行モデルであればディーラーでの修理が手取り早いものの、「故障した箇所を直す」というよりアッセンブリーごとの交換が多く、工賃も高めです。修理内容によっては「同じモデルの中古車を買ったほうが安上がりでは?」と思うほどの見積もりが出ることもあります。

Large figure1 gallery5 チェコのクルマなど、日本では珍しいメーカーのクルマも修理してくれる自動車工場がある(画像:Škoda Auto)。

 一方、個人の自動車修理工場に修理をお願いする場合、なんらかのツテがないと、敷居が高く映り、さらに、外車は特に断られがちです。しかし、「外車・国産なんでも来い!」「世界中の自動車メーカーの95%以上のクルマの修理に対応する!」という自動車修理工場もあります。それが東京・二子玉川にある富士自動車工業です。

 筆者(松田義人:ライター・編集者)が以前乗っていたロシア製SUVが故障した際、東京はもちろん、日本中の自動車修理工場を探しまくっていた際に見つけました。珍車にもかかわらず修理はわずか1週間ほどで済み、その費用も相場から見れば数割安めでした。「95%以上のクルマの修理に対応」という触れ込みだけでなく、「早い」「安い」も兼ね備えた工場です。

 しかし、どうして多くの自動車修理工場ができないことを実現できるのかという謎も浮かびます。代表・春日直樹さんに聞きました。

「今から56年ほど前、町工場で働いていた親父が独立して出したのがうちの成り立ちなのですが、当時からこの界隈には外車屋さんが多かったんです。当時はドイツ車、アメリカ車が多かったみたいですけど、その後、イタリア車・フランス車が入ってきて、こういった様々な国のクルマの修理に対応しているうちに、今のような状況になりました」(春日さん)

 昔の二子玉川界隈は、畑が多かったので、近所の農家さんのトラクターの修理もやっていたといいます。現在は近所の自動車教習所のクルマ修理も行っているとのこと。そうした積み重ねで今があるようです。

 様々な外車修理に対応してきた経験から、結果的に「95%以上のクルマの修理を受ける」ことができるようになったそうですが、しかし、かつてよりも並行輸入車が増えた昨今、「なんじゃこりゃ!」というクルマの修理の依頼もありそうな気がします。

 春日さんは、こうした「初めて見る外車」の修理依頼でも、まずは預かるといいます。

「知らないクルマのほうが『どうなってるんだろう』みたいに興味を抱いてしまうんです(笑)。自分たちの経験値にもなるじゃないですか。どうしても『修理できない』というクルマもありますが、『こんなクルマ知らないから、うちはやらない』ということはほとんどありません」(春日さん)

どうしても断らざるを得ない車種は…

 取材時、工場内を覗かせてもらいましたが、チェコのクルマや、各国の軍用車などに採用されるクルマ、はたまた巨大なロンドンタクシーなどが入庫していました。

Large figure2 gallery6 富士自動車工業代表の春日直樹さん(2025年、松田義人撮影)。

 まさに「なんでも来い!」な印象の富士自動車工業ですが、春日さんによれば、「お断りしているクルマ」もあると言います。

「まず、電気自動車(EV)ですね。電気自動車修理の資格はもちろん取得していますが、ハイブリッド車ではない完全なEVは、ディーラーとか専門工場のほうが、ユーザーさんにとって絶対安心だと思いますので。

 あとは旧車ですね。もちろん旧車の修理も以前はお受けしていたのですが、ここ数年の旧車ブームがあり、数多くお問い合せをいただくようになりました。しかし、修理は部品調達に時間がかかることが多く、クルマを長期間お預かりすることになるので最近はお断りさせていただいています」(春日さん)

 町の自動車修理工場に外車の修理の相談をした際、「うちには、このメーカーの専門工具がないから受けられない」「整備書・サービスマニュアルがないから受けられない」と、修理を断られることがあります。こういった点はどうクリアしているのでしょうか。

「工具で言えば、近年はメーカー間で共通のものが増えてきてだいぶ楽になりましたが、『どうしても専用の工具がないと触れない』という場合は、『工具自体を作るところ』から対応しています。既存の工具を加工したり、イチから作ったり。でも、これは珍しいことではなくて、外車の修理を行う工場はどこも同じだと思います。

 整備書・サービスマニュアルが必要な修理内容なら、その資料を取り寄せれば良いし、手に入らない場合でも、過去に修理してきた経験から直せることが多いですよ」(春日さん)

 前述の「95%以上のクルマの修理を受ける」ことは、長い目で考えれば富士自動車工業にとっての「経験値」という財産となり、さらに修理対応できる車種が増えていくことにつながる、ということのようです。

 ただし、近年では悩ましい問題もあるそうです。

「人員不足はかなり深刻ですね。確かに経験値を重ねることで、修理対応できる車種は増えていくわけですが、若い人のなり手が少なくて。『その車種の修理はできるけれども、修理依頼が来すぎていて、対応しきれない』という理由で、時期によってはお断りさせていただいたり、お待ちいただいたりすることもあります。

 うちはあくまでもこんな感じの工場ですが、外車に乗られていてお近くの修理工場などで断られた場合は、一度うちに相談に来ていただければと思います」(春日さん)

 外車、それも流通量の少ない珍車に近い会社に乗っているユーザーからすれば、まさに「駆け込み寺」のような富士自動車工業ですが、春日さんの話は実に控えめで実直な印象を受けました。お断りをするケースがあるのも、比較的安価な修理費用とスピード感ある納期を実現しているからこそ、なのかもしれません。

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