大雨が降った後などに出現する「虹」。ふとした時に発見すると思わず高揚感が得られる虹ですが、虹の“端っこ”が気になった経験はありませんか。そこで、虹が出現する仕組みや“虹のふもと”について、気象予報士のきりたんさんに聞いてみました。
虹はどのようにして見えているのだろうか?
Q.“虹のふもと”は、存在するのでしょうか。
きりたんさん「“ふもと”というと、虹の切れ目や端側を指すことになると思のですが、条件によっては地面との接点まで見られることがあります。ただ、ふもとの様子を間近で見ることはできません。
というのも、私たちが立っている位置から太陽を背にした一定の角度からでなければ虹を観察できない、という特性があるからなんです。
虹が見えている場所に近づくことはできても、虹がある場所に行くことはできないのです」
Q.“虹のふもと”はどのような状態になっているのでしょうか。肉眼で見えたりしますか?
きりたんさん「虹は雨が降った後に現れるイメージがあると思いますが、それもそのはず。
空気中にたくさんの雨粒が漂っている状態で、そこに太陽の光が反射し屈折することで虹が現れる、という仕組みになっています。
つまり、太陽と反対側の方向で急に雨が降った、というような湿度が高い環境で見られる可能性がグッと高まります。
“虹のふもと”を観察する場合、ビルや構造物などが多い都会では厳しいですが、遮へい物が少ない場所や海上といった環境でなら見られることもあります」
Q.虹のほかに、特別な気象状況でないと見られない現象はあったりしますか。
きりたんさん「虹に関連した少し珍しい現象でいうと『副虹』と『白虹』というものがあります。
副虹は『副』とついているように、メインの虹が出ているそばにもう一つの虹が見える現象で、『ダブルレインボー』と呼ばれることもあります。メインの虹は、光の屈折が1回のみなので濃く色鮮やかに見えますが、副虹は雨粒に入った光が2回屈折するため全体的に薄い色をしています。
一方の『白虹』はその名の通り、真っ白な虹で、霧のような雨粒よりもさらに小さい水滴が反射するとまれに現れる虹の一種です」
「虹を見ると幸せなことが起こる」といった言い伝えもあります。雨が降った後など湿気が高いタイミングに、空を一度ゆっくり眺めてみると、虹が発見できるかもしれません。その時は“虹のふもと”を確認してみてくださいね。
オトナンサー編集部