娘の育児についての試行錯誤を描いた漫画「4才児への育児と私の気持ち考察」がSNS上で話題となっています。最近、反抗的な態度が増えてきた4歳の娘。母親は事あるごとにイライラして叱りますが、改めて考えると、「しつけ」と「自分の気持ち」を混同していることに気付き…という内容で「冷静に考えられてすごい」「よく分かります」「ためになりました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
ほとんど怒らない夫を見て…
この漫画を描いたのは、ちくまサラ(ペンネーム)さんです。26歳で漫画家デビューし、現在は育児の傍らでイラストの仕事をしながら、インスタグラムやツイッター、ブログ「先曲がり奮闘記 ~紆余曲折の育児記録~」で育児漫画を発表しています。
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
ちくまさん「備忘録です。心の余裕がなくなるとすぐに忘れてイライラしてしまうので、自分で読み返せるように形にしました」
Q.「しつけ」と「気持ち」を混同しているのでは、と気付いたきっかけは何だったのでしょうか。
ちくまさん「きっかけは作中に描いた娘の『おもちゃ投げ事件』でしたが、それより前から、心に引っかかっていました。それは、私と夫の違いです。娘が何かいけないことをしたときや大人の指示を聞いてくれないとき、私はすぐにイライラしてしまうのですが、夫はほとんど怒りません。
もちろん、元々の性格もあるんでしょうけど、夫の姿を見て『私はなぜこんなにイライラしてしまうんだろう?』と思っていました。そして、イライラの原因を探っていたとき、おもちゃ投げ事件が起こり、ハッと気が付いた感じです。自分にとって、とても分かりやすい出来事でした」
Q.普段、「気持ち」を抑えるために心掛けていることはありますか。
ちくまさん「事前に予防みたいなことはできないです。疲れていたり寝不足だったりすると、すぐに余裕がなくなってしまうので…なので、自分の娘に対する話し方を目安にしています。自分の口調が乱暴になってきてるなと思ったら、取りあえず黙ります。そして、『こういう言い方の方がいいな』と思いつけば、そっちの言い方に変えます。
しかし、考えたり言ったりする余裕すらないときもあります…そのときは、とにかく黙る。可能なら、その場を離れて他のことをしたりして気持ちを切り替えます。自分の機嫌に、自分でいち早く気付くことが大事だと思っています」
Q.言い方を変えるようにして、娘さんに変化はあったのでしょうか。
ちくまさん「おもちゃを投げるという行為はこれ以降、しなくなりました。『おもちゃを投げてもイライラがなくならないなら投げないで』という部分はまだよく分かっていないようでしたが、『おもちゃは投げない』『イライラしたら、おもちゃはそのままでその場を離れる』という指示は理解してくれたようです。
他人の気持ちを考えられるようになるのは5歳以降と言われているように、感情的に怒っても結局のところ、子どもは親の気持ちを理解していない。だから、『怒られた→嫌だ』になるだけなんですよね」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
ちくまさん「なるほど!という意見も多かったのですが、『理屈は分かったけど、自分にできるか自信がない』という声が結構ありました。『よくないと分かっていても、どうしてもイライラして感情的になる』という意見も。自分の感情をコントロールする余裕がないくらい、疲れているパパママが多いんだなと思いました」
オトナンサー編集部