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「尖ったサービス」ってマジ? ANA系新航空「AirJapan」初便搭乗! 噂に違わぬコスパ、シートはスペック以上?

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ANAが展開する新航空「AirJapan」が運航をスタート。LCCとフルサービス両方の良いところを併せ持ち、かつ”尖った”サービスとは、どのようなものなのでしょうか。実際に乗ってみました。

1クラスエコノミーのみ…でも?

 ANA(全日空)が展開する新たな航空会社「AirJapan」が2024年2月9日、運航をスタートしました。同社は「LCCとフルサービス両方の良いところをあわせた新しいビジネスモデル」かつ、「尖った」(AirJapan峯口秀喜社長)サービスを特徴としています。実際にどのようなものなのか、その初便へ実際に乗ってみました。

Large 01AirJapan就航初便の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 AirJapanは、これまでANAブランドとして短・中距離国際線の運航を担当してきた傘下の航空会社「エアージャパン」を母体とし、これを発展させた形をとっています。旅客機は、すでにANAグループで使用しているボーイング787-8を改修したものを使用。客室はビジネスクラスなどを設けない1クラス構成で、324席を配します。

 デビュー路線となった成田~バンコク線の運賃は、LCC水準となる1万5500円から。そこから手荷物預けオプションや座席指定要望、ドリンク・機内食サービスの提供などを都度”課金”方式で選ぶことで、乗客のひとりひとりの状況に応じた、過不足のないサービスを実現するというのがコンセプトです。

 同社では先述の通り座席は1クラスで、座席の機内モニターなども全廃されています。その代わりに1席あたりのシートピッチ(座席の前後間隔)を広く、32インチ(約81cm)確保しており、同社は「一般的なエコノミークラスを上回る」とアピールします。

 これに加え、モニターを撤廃したがゆえに、映像機器を座席下に搭載する必要もなくなりました。そのため、多くの航空会社の一部席に見られる、機器が足元の邪魔になるという現象がないので、そういった席でも他社機より足を伸ばした状態で座れます。その意味で、32インチのシートピッチというスペックを掲げる他社と比べて、AirJapanのものは、数値上の広さを上回っている感じがしました。

 これに加え、リクライニング機能もポイントで、一般的なエコノミークラスのリクライニング幅が3~4インチとされているなか、AirJapanのものは6インチまで倒れる仕様に。エコノミーとしては、かなりリラックスのできるものとなっています。

「機内でリラックス」以外の楽しみ方は?

 もちろん、AirJapanでは「機内でリラックス」以外の過ごし方も用意されています。

 機内モニターがない代わりに、自分のスマートフォンやタブレットを用いて、同社が選定した動画や映画、アニメなどが見られるサービスを無料提供しています。映像作品のバラエティはフルサービスキャリアほどではありませんが、アジア路線ほどのフライト時間であれば十分楽しんで過ごせます。

Large 02AirJapan就航初便の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 なお、こういったサービス形態をとっていることから、機内にスマートフォンにつなぐイヤホンを忘れないようにするのもポイントかもしれません(筆者は忘れました)。

 ちなみに、機内Wi-Fiを用いたSNSなどの外部通信にも対応していますが、こちらは有料での提供です(フライト使い放題で21.95ドル)。

 また、このサービス画面を使って、食事やアルコール類を含めたドリンクメニューを頼むこともできます。初便はまだサービス開始直後ということで、この画面が完全に機能しないアクシデントもあり、結果的にCA(客室乗務員)が直接乗客に要望を聞きにまわるマニュアルオーダーに切り替えられました。しかし、もしこれが円滑に機能すれば、CAに自席まで来てもらう必要のない、頼みやすいシステムとなっています。

 なお、AirJapanのCAは、ANA便にも乗務する“二刀流”とのことで、同社はここもアピールポイントとして掲げています。

乗れば乗るほど「尖りそう」なAirJapan便

 機内食は事前購入の「寿司ものがたり」(2000円)や「ふわとろ卵の炭火焼親子丼」(1600円)のほか、このシステムを用いて島根県産高級「めで鯛」茶漬け(1000円)や庭吟祥堂本舗「稲庭うどん」(800円)、スイーツ類などを頼むことができます。

 機内食もですが、機内のBGMも尺八をメインメロディに据えた曲が採用されているなど、同社では“和テイスト”を全面に打ち出しているのも特徴。また、客室には同社特製のアロマの香りが漂うなど、嗅覚の面でも独自のポイントが見られました。

Large 03AirJapan就航初便の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 AirJapanはインバウンド(海外からの訪日旅行者)をおもなターゲット層としているものの、普段からアジア旅行をする日本人旅行者にとっても、純粋なLCCにはない特徴を持った“ハイコスパ航空”になりそうです。旅客が取捨選択できるサービスも多いため、一人ひとりが同社便でのフライト体験を重ねることで、“自分的にコスパ最強”な過ごし方を見つけられる航空会社、ともいえるかもしれません。

 初便はほぼ満席の300人以上を乗せ、好調な滑り出しを見せたAirJapan。同社はバンコク線のほか、ソウル線、シンガポール線を開設予定で、今後もアジア地域に新路線を開拓すると見られます。

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