マウントを取る人の心理状態とは?(画像はイメージ)
他人との会話の際に、自分が相手より優位だと示したがる人はいませんか。こうした行為は「マウントを取る」といわれており、SNS上では「マウントを取る人は恋愛で嫌われる」「マウントを取るやつは自己肯定感が低い」などの声が上がっています。マウントを取ってしまう人の心理状態や、マウント行為の改善策などについて、心理カウンセラーのうるかすさんに聞きました。
マウントを取り続けると人間関係に悪影響
Q.自分が相手よりも優位だということを言動で示すことは「マウントを取る」と表現されます。他者とコミュニケーションを取る際にマウントを取る人の心理的状況について、教えてください。
うるかすさん「マウントを取る人には、強い承認欲求と、満たされることのない自己肯定感、自尊心が見られます。マウントを取るのは、他者の評価でそれらを穴埋めしようとする試みの表れです。
まず、自分の優位性を示すことが最重要課題になっているため、会話が自己中心的になりがちです。自分の話ばかりをして会話の端々に自慢話を入れ込みます。相手より優位に立ちたいので、自分の非を認めず、時には相手を責める言動を取ることで、相対的に自分の立場を上げようとします。
周りから『すごい』と思われたいという『承認欲求』の強さも特徴です。自分の中だけでは満たせない自己肯定感や自尊心を、他者からの評価で穴埋めしています。
また、幼少期に周りと比べられた経験がトラウマのようになってしまい、『誰かから認められたい』という欲求が強く生じることがあります。周りから認められれば安心できるので、マウントを取ってしまうのです。
生育過程で何らかのトラブルがあると自己重要感が満たされず、物事を否定的に捉えやすくなり、自己卑下に陥ることもあります。その一方で自分のダメな部分を隠そうと話を誇張したり、周りの成功を素直に祝えずに否定的な言葉を口にしたりします」
Q.他者に対してマウントを取るのが癖になっている場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか。
うるかすさん「自分の間違いを正当化するために相手を責める、見下すといった自分本位な言動がもとで、良好な人間関係を築けなくなります。やがて付き合いを避けられ、周囲から孤立する可能性があります。
また、人は失敗を次に生かすことで成長できるものです。マウントを取るのが当たり前になっている人は、自分の弱さや都合が悪いことを受け入れられないため、自己成長が難しくなります。
一方で、心がより成熟した段階においては、競争心と他者への敬意や愛情は対立するものではなく、同時に成り立つものだと考えられます。自分より優れた人の存在を脅威として警戒するのではなく、そうした人がいるという現実を受け止め、そこから学ぼうとする姿勢を持つことが、成長には欠かせないのです」
Q.つい他人にマウントを取ってしまう場合、改善することは可能なのでしょうか。そのためには、どのような取り組みが求められるのでしょうか。
うるかすさん「そもそも、マウントを取ることで得られるのは一時的な優越感です。本人は自尊心を満たすために常に人と比べ、マウントを取り続けなければならないという悪循環に陥りやすいと言えます。自己肯定感の不足は根深く、あくまで本人の内発的な変容が必要です。
まず、無意識にマウントを取るのをやめるために、『無理にやめようとしない』ことから始めましょう。『絶対にやらない』と強く決意しても、無意識に出てしまうと、後から自分を強く責めることになり、かえって自己肯定感を下げる悪循環に陥りかねません。大切なのは『今、マウントを取ったな』と気付くことです。マウント行動が、不安や寂しさから来る『鎧』だと理解し、自分を責めることなく客観的に観察します。
次に自己理解の段階に進みましょう。自分はなぜ優位性を示そうとするのか、根底にある自分の弱さや孤独を見つめ、自分を深く理解するプロセスで、『内面の渇き』を潤すことができます。この自己理解の作業は、時に自分自身の見たくない側面に目を向けることを求められ、痛みを伴う場合も少なくありません。そのようなときには、カウンセラーなどの安心感を与えてくれる存在とともに取り組むことで、1人では直視できなかった内面にも、少しずつ目を向けられるようになることがあります。
また、自己を理解する中で、自分が何を大切にしているか、価値観を明確にしましょう。自分が大切にしていることに集中することで、他者と比べ、優劣を競うことが無意味であると気付けるようになります。『自己肯定感』の強化というわけです。
他者との関わり方では、求められないアドバイスや意見を控えましょう。『~ですよね?』といった疑問形での問い掛けや、『~という考え方もある』と断定を避けた表現を心掛けることで、マウントと受け取られやすい言動を減らし、他者との関係性を改善できます」
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マウントを取っていると、周囲から孤立したり、自己成長を阻んでしまったりする悪循環に陥ります。人間関係を改善するためにも、自分がマウントを取ったこと、他者と比較する無意味さなどに気付けるようにしてみましょう。
オトナンサー編集部
