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火山の噴煙は高さ8300mに 大陸誕生のロマン漂う「西之島」をご存じですか【連載】東京無人島めぐり(最終回)

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1973年5月から始まった噴火活動

 30以上の島々で構成される小笠原諸島。

 ボニン諸島という別名を持つこの島しょ群のうち、定住者がいるのは父島と母島のほか、自衛隊や気象庁の関係者が常駐している硫黄島および南鳥島のみ。

 その他の島々は定住者のいない無人島となっています。

 そうした小笠原諸島の無人島のなかでも、ここ最近活発な噴火活動がたびたびニュースに取り上げられているのが東京の南方約930kmに浮かぶ西之島です。

西之島の噴火活動。撮影は2020年6月15日(画像:海上保安庁)

 海上保安庁海洋情報部および気象庁の記録によると、現在の西之島にあたる地点の南東で噴火が起きたのが1973(昭和48)年5月30日。

 同年6月27日には噴煙と噴石、水柱が確認されています。

 9月11日には直径30〜50mの新島が発見され、12月21日には海上保安庁がこの新島を「西之島新島」と名付けました。

飲み込まれた旧西之島

 西之島の噴火活動はその後沈静化しますが、2013年11月には再び活発な活動が見られるようになります。

西之島の噴火活動。左側の島が飲み込まれる前の旧西之島。撮影は2013年11月(画像:海上保安庁)

 このときの噴火で、西之島南東沖に突如「100m × 200m」の陸地が誕生。中央に円形噴火口を持つこの島から吹き出た溶岩は旧西之島を飲み込み、12月には西之島新島と一体化します。

 2015年11月以降、噴火活動は再度沈静化。国が立ち入りの警戒範囲を緩和すると、それを受けて、2016年10月には東京大学地震研究所などが参加する調査団が西之島に初上陸を果たします。

研究者はウエットスーツ着用で上陸

研究者はウエットスーツ着用で上陸

 このときの調査では、上陸する研究者には厳しいルールが課せられました。

 身体や髪についた付着物を流し落とすため、上陸する際にはウエットスーツを着て泳いで島に渡ることが求められました。

 これは本土から一切の生物を持ち込まないための対策で、外来種の流入には細心の注意が払われました。

 また、島では一切の排せつ行為は厳禁。上陸者はポータブルの簡易トイレを持参したといいます。

 この調査では海鳥の生態が調べられたほか、地震計も設置。2016年10月末から11月にかけて、海上保安庁の測量船「昭洋」が西之島周辺の水深や海岸線を調査し、調査員が海図作製用のデータを計測しました。

海上保安庁の測量船「昭洋」(画像:海上保安庁)

 2019年に行われた環境省の調査ではオナガミズナギドリのヒナが初確認されたほか、カニや昆虫も生息していることも判明。

 さらには漁船などから島に流入したと思われるワモンゴキブリも大量に発見され、生態系への影響が懸念されています。

噴煙は観測史上最大の8300mまでに

 そのように島の全貌が少しずつ明らかになってきたわけですが、本稿を執筆している2020年7月現在も西之島では活発な噴火活動が続いています。

 同年6月中旬からは活動が活発になり、西之島の東約130kmに位置する父島では降灰も見られたといいます。

 7月4日(土)は2013年11月の大規模な噴火以降、観測史上最大となる8300mの地点まで噴煙が立ち上ったことが海上保安庁による定期観測で確認。

 それ以降も数千mクラスの噴煙がたびたび観測されています。

西之島の噴火活動。撮影は2020年7月20日(画像:海上保安庁)

 誕生からわずか47年――。

 西之島は現在も拡張を続けているのです。

無人島から浮かび上がる「もうひとつの東京」

無人島から浮かび上がる「もうひとつの東京」

 この連載も今回で最終回となります。

 最果ての海域に浮かぶ離島というと、排他的経済水域とともに語られることが多く、南鳥島や沖ノ鳥島などは「政治的観点」からその重要性が語られることがほとんどです。

 ただし、多くの島には有史以来の歴史があり、さまざまな生物や漂着者たちが刻み込んできた各島固有のストーリーがありました。

1973年から2003年までの西之島の垂直写真(画像:海上保安庁)

 現在は無人島となっていたとしても、八丈小島や南鳥島のようにかつては集落が存在し、人々の営みがあった島もあります。

 そうしたいくつもの視点から東京の島々を見つめたとき、そこには「もうひとつの東京の物語」が浮かび上がってくるのです。

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