明らかに上信越道のほうが近い でもトータルで見ると…
土地価格の指標となる2026年の「路線価」で、前年比31.3%と全国2位の上昇率を記録したのが長野県「野沢温泉村」です。新潟県に近い北東部に位置し、冬にパウダースノーのスキーを楽しめることからインバウンドに人気で路線価を押し上げたとされます。7月に訪れると、外国人は確かに多く、標高が高いため炎天下でもなんとか過ごせる気候。野沢温泉スキー場のサマーゲレンデでは多くの人が夏スキーを楽しんでいました。
野沢温泉村の国道117号。川沿いの高いところを進む(乗りものニュース編集部撮影)
この野沢温泉村の最寄りICが、上信越道の「豊田飯山IC」です。村役場までは国道117号などを経由して20kmほど。ですが、東京への帰り道をGoogle Mapsで調べると、「え、関越道のほうが早いの?」--上信越道ではなく、東へ55kmも離れた関越道の「塩沢石打IC」へ向かうルートが出たのです。
確かにこの地域は関越道と上信越道のあいだに位置しますが、上信越道が長野経由でやや迂回する線形のためか、実は東京までのトータルの走行距離でも、塩沢石打などから東京方面へ直線的に延びる関越道経由の方がやや短いようです。東京側の目的地を練馬ICに近い石神井公園駅に設定しても、上信越道経由261kmに対し、関越道経由232kmと出ました。
とはいえICまでの距離が30kmも違うし……と半信半疑で関越道を目指してみると、その理由が分かった気がしました。国道117号が極めて快走路だからです。
国道117号は長野市から信濃川(千曲川沿い)を進んで新潟県小千谷市へ至る国道で、川を挟んでJR飯山線と並走します。飯山市、野沢温泉村、新潟県津南町、十日町市といった街をつなぐ2車線の主要道路で、高規格道路というわけではないものの、豪雪地帯のためか道幅が広く、市街地以外は信号も少なく快適です。
随所でトンネルに付け替えられた箇所が見られ、改良を繰り返した跡もうかがえます。さらに、新潟県津南町では新しいトンネルが口を開けています。
名古屋から関越目指すならコレじゃね?
この事業は新潟県が進める「灰雨(はいざめ)改良」です。信濃川沿いを進む現道のスノーシェッドの幅が狭く、大型車のすれ違いが困難なことから安全対策として1180mのバイパスを建設中。うち827mがトンネルとなっています。
津南町で建設中の「灰雨改良」灰雨反里(はいざめそり)トンネル(乗りものニュース編集部撮影)
ここが開通すると、国道117号で大型車がすれ違えないスノーシェッドは無くなるといいます。開通は2027年度の予定で、一連の改良の総仕上げといえそうです。
今回は十日町市内から国道353号に入り、野沢温泉から1時間ほどで関越道の塩沢石打ICに到着しました。名勝「清津峡」を経由する国道353号はアップダウンのある山道ですが、10kmほど北側に並行する国道253号はバイパスとして自動車専用道「八箇峠トンネル」(2840m)が整備されているため、積雪期の安心度も高そうです。こちらは六日町ICに出ます。
上信越道、関越道とも現在、リニューアル工事のため渋滞するところがありますが、交通状況に応じてどちらかの高速道路と国道117号を組み合わせる迂回ルートは、覚えておいて損はなさそうです。また、名古屋方面から中央道、長野道、上信越道と上がって関越道沿線の長岡方面を目指すならば、国道117号での連絡はかなり使えそうです。
