サッカー元日本代表の前園真聖さん(2020年6月、時事通信フォト)
テレビ東京が3月6日、同局のバラエティー番組のロケ中に、サッカー元日本代表の前園真聖さんが不安定な斜面で転倒し、「右膝外側半月板損傷」のけがを負ったことを発表しました。前園さんのマネジメント会社によると「全治半年」だということです。この発表に対し、SNS上では「全治半年って想像以上に重傷ですね」「本当に心配」などの声が上がっています。
そもそも、膝外側半月板損傷とはどのようなけがなのでしょうか。日常生活で発症のきっかけとなる行動や予防法などについて、みかわ整形外科クリニック(大阪市平野区)理事長で整形外科医の三河聡志さんに聞きました。
半月板は加齢に伴い損傷しやすくなる
Q.「膝外側半月板損傷」とはどのようなけがなのでしょうか。原因も含めて教えてください。
三河さん「膝外側半月板損傷とは、膝関節の中にある『外側半月板』が傷ついた状態を指します。
半月板は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にあるC字状の軟骨組織で、膝関節の内側と外側にそれぞれ1つずつ存在します。この半月板には、関節にかかる衝撃を吸収する役割や、関節の安定性を高める役割、さらに関節軟骨を保護する役割があります。
膝外側半月板損傷は、この半月板に亀裂や断裂が生じる状態です。損傷すると、膝の痛みや腫れ、曲げ伸ばしの際の引っかかり感、膝が完全に伸びない、曲がらないといった『ロッキング』と呼ばれる症状が出ることがあります。
原因は大きく2つに分けられます。1つはスポーツなどによる外傷性の損傷で、膝をひねる動作や急な方向転換などによって半月板に強い負荷がかかり、裂けるように損傷するものです。もう1つは加齢に伴う変性による損傷で、半月板が徐々に弱くなり、比較的軽い動作でも損傷してしまうことがあります」
Q.日常生活では、どのような動作が引き金になりやすいのでしょうか。
三河さん「外側半月板損傷は、膝に『ひねり』と『荷重』が同時に加わったときに起こりやすい特徴があります。特にスポーツでは、サッカーやバスケットボール、テニスなど、急な方向転換やストップ動作を伴う競技で発生しやすいとされています。
一方、日常生活の中でも発症することがあります。例えば、次のような動作がきっかけになることがあります」
・しゃがんだ状態から急に立ち上がる
・膝をひねりながら立ち上がる
・階段の上り下りの際に体重が偏ってかかる
・重い物を持ちながら体をひねる
・段差で足をひねる
特に中高年の人の場合、半月板が加齢により変性していることが多く、はっきりした外傷がなくても痛みが出ることがあります。例えば「しゃがんだ後に膝が痛くなった」「歩いていたら急に引っかかる感じが出た」といったケースも少なくありません。
また、O脚やX脚など、下肢のアライメント(並び方)に問題がある場合や、膝周囲の筋力低下も半月板への負担を増やす要因となります。
Q.膝外側半月板損傷を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。
三河さん「膝外側半月板損傷を完全に防ぐことは難しいのですが、膝関節への負担を減らすことで発症リスクを下げることは可能です。
まず重要なのは、膝周囲の筋力を維持、強化することです。特に太ももの前側にある大腿四頭筋や、太ももの後ろ側の大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋といったハムストリングス、さらに股関節周囲の筋肉を鍛えることで、膝関節の安定性が高まり、半月板への負担を軽減することができます。
次に、膝に負担のかかる姿勢や動作を避けることも大切です。長時間の深いしゃがみ込みや、膝をひねる動作は半月板に強いストレスをかけるため注意が必要です。重い物を持つ際には、膝だけでなく股関節を使って体を持ち上げる意識を持つと良いでしょう。
また、適正体重を維持することも重要です。体重が増えると膝関節にかかる負担が大きくなり、半月板の損傷や変性が進みやすくなります。
スポーツを行う場合には、十分なウォーミングアップとストレッチを行い、急激な動作を避けることも予防につながります。膝に違和感や痛みを覚えた場合には無理をせず、早めに整形外科を受診することが、症状の悪化を防ぐために重要です」
オトナンサー編集部
