新型「03式中SAM改」の射撃の様子です。
日本国内では不可能な大型ミサイルの実射訓練
沖縄県に駐屯する陸上自衛隊の第15高射特科連隊が2024年10月11日、03式中距離地対空誘導弾の実弾射撃に関する動画を公式Xで公開しました。
03式中距離地対空誘導弾は、通称「中SAM(Surface-to-Air Missile)」とも呼ばれる大型の地対空ミサイルで、南西諸島や九州、首都圏、近畿圏などといったエリア(戦域)防空用として調達・運用されています。
前線防空用ではないため、可搬性やコンパクト化よりも、長射程や高性能化の方に軸足が置かれており、航空機だけでなく巡航ミサイルへの対処も可能な性能を有しています。
ただ、その射程や射高の問題から日本国内で実弾射撃を行うことが難しいため、陸上自衛隊ではアメリカへ部隊を派遣し、射撃訓練を行っています。
第15高射特科連隊が装備する03式中距離地対空誘導弾(改善型)の実射の様子(画像:陸上自衛隊第15高射特科連隊)。
今年(2024年)は8月26日から、米本土ニューメキシコ州にあるマクレガー射場を使って「高射部隊隊実射訓練」、通称「ASP(Air defence missile Shooting Practice)」を実施しており、10月5日には同じく派米訓練中の航空自衛隊の「ペトリオット」地対空ミサイル部隊と連携しての実弾射撃訓練も行っています。
このたび公開された動画は、この派米訓練に際して「中SAM」の発射から撃墜までの一連の様子を収めたもので、最終的には目標として上空を飛行していた標的機に命中するところまで見ることができます。
第15高射特科連隊も、この動画を公開したポスト(投稿)において「ラスト1秒、爆発の瞬間を見逃さない様にご覧ください」と記していました。