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子どもが遊んで部屋が水浸しに…親が、叱らず“褒めた”理由とは? 実は「将来の学力」にもつながっていた!?

マイナビウーマン

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子どもの自己肯定感を育てたい。そのために一生懸命ほめているけれど、これであっている……?と不安なパパ、ママも多いのでは。実は、自己肯定感を育てるために大切なのはほめる言葉ではなく「認める」言葉。『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』の著者・天野ひかりさんに、認める言葉をかけるコツをうかがいました。

「ほめる」は「叱る」と同じ?子どもを認める言葉って?

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※写真はイメージです

――― 著書『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』は、親としてドキッとするタイトルですね。この本を執筆されたきっかけを教えてください。

天野ひかりさん(以下、天野) わたしは20年くらい講座や講演活動をして、56000人以上の親子の悩みに触れてきました。たくさんの相談を受けていると、みなさんが同じようなことで悩んでいることに気づきました。シーンは異なりますが、要は「子どもが親の言うことを聞いてくれない。聞いてもらうにはどうすればいいですか?」というものです。言い聞かせる、交換条件を出す、もので釣るなど、色々と試してもうまくいかず、「魔法の言葉はないですか?」と聞かれることもあります。

そうやってどんな方法を試してもうまくいかないのは、そう言われたら子どもがどんな気持ちになるのかがわかってないからだと思います。必要なのは、大人の言うことを聞かせるテクニックではなく、子どもの想いを聞くテクニック。子ども自身の思いを認めて育てることで自己肯定感が育てば、お父さんやお母さんの言うことも、ただ従うのではなく相手の立場に立って考えることができるようになります。これをわかりやすく伝えるために、良かれと思った言葉かけでも子どもは否定されたように感じるという例をNG、子どもの気持ちを認めるという例をOKとして表しました。

ですから、NG例の言葉を言ってしまったからといって、失敗ではありません。それが正しかった時代もあったし、未来は誰にもわからない中で、こう言えば正解、こう言ったらダメではなく、どんな時代になっても、お子さんが自分で考えて自分で行動できるようになる方法をお伝えできればと思い、執筆しました。

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※写真はイメージです

――― 読者からどんな反響がありましたか?

天野 やはり「ほめることと認めることはちがうんだ、と気づいた」という声が多かったです。子どもをほめて育てていたお父さん、お母さんからは「こんなにほめていると何だか操っているみたいで、これでいいのかわからなかった。本を読んでやっぱりちがったんだとわかりました」と言っていただきました。

――― 私も、ほめるのは良いことだと思っていたので、ほめるは叱ると同じ、という内容は衝撃的でした。

天野 ほめて育てると、子どもはもっとほめられたくて親の顔色をうかがいながら判断するようになります。親子関係の悩みで「本当はやりたくなかったことも、親の期待に応えるためにやりたいと言ってやっていた。本当のことを言うと親をがっかりさせてしまう。お父さん・お母さんの優等生でいたいからどうしたらいいか」という悩みを聞くこともあります。お子さんがそんな風に育ってしまうことは、本当に親が望んでいることなのでしょうか。ただほめるのではなく、子どもがやりたいと思うことを聞ける親になってほしいと思います。

認める言葉はオウム返しでOK!

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※写真はイメージです

天野 今まで一生懸命ほめてきて急に変えられないときは、過程を認めることから始めてみてください。「天才ね!」と結果だけをほめると、自分は天才だからと努力しなくなったり、天才であり続けようと難易度の高いことに挑戦しなくなってしまいます。でも「努力したね」とその過程を認める言葉かけをすると、努力を頑張れるようになります。しかも、それまでの努力や行いを知っているのは、一番近くにいた親だけです。たとえ、テストが40点で褒めることはできなくても、その子なりに努力したことを認めることばかけならできますね。

過程を見るのも難しい場合は、実況中継でも。食事をしっかり食べていたら「いっぱい食べたね」と当たり前のことを言葉にしたり、子どもがお話を始めたらオウム返しでOKです。「こんなにオウム返しばかりしていて、子どもはバカにされていると思うのでは?」と不安を語ってくれた親御さんもいます。でも続けていると、子どもの表情がパッと明るくなって、子どもが自分で考えるようになり、本当にオウム返しでいいんだと思ったと言っていただけます。

―――オウム返しだけで、認めていることになるんですね。

天野 ほめるのは親がほめる内容を考えないといけないから大変ですが、認めることはありのままを受け止めるだけなので、楽なんです。これに気づけるかどうかが分かれ道になります。

親が考えるのをやめると子どもが考え始めます。親がずっと認めていると、子どもは「あれ、まずい?」と思って考え始めるんです。

例えば子どもが友達の悪口を言い出して、「明日、ほかの子と一緒に無視するんだ」と言ったとき、「無視するのは良くないと思う」と精一杯話しても、子どもはお父さん・お母さんも私のことをわかってくれないんだ、と受け止めてしまいます。しかも親ばかりが喋るので、子どもは自分の話は聞いてもらえないと感じるのですね。そこで親が喋るのをやめて、いい・ダメも言わずに「無視するんだね」とだけオウム返しをします。すると子どもはびっくりしつつも今日は自分の話を受け止めて聞いてくれると感じて色々と話し始めます。1つ1つオウム返しをしていくと、子どもは腹が立った経緯などをひとしきり話したあとで考え始めます。「無視するのはやっぱり良くないから、明日みんなで話しあってみる」と解決策に自分で辿り着くのです。親としては感動しますよ。なぜなら、子どもは、声に出して話すことで自分の考えを整理していくからです。こうして、自分で考えて行動できる子に育っていくのです。

はじめは時間がかかるかもしれませんが、親は指示しないことをぜひ試してみてください。

子どもが悪いことをしても、認める言葉はかけられる

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※写真はイメージです

――― 子どもが良いことをしたときは認めやすいですが、悪いことをしたときはどうすればいいでしょうか。

天野 「親がやめてほしいと思っても子どもを認めた方がいいの?」という疑問ですね。例えば、子どもが遊び場でブロックを投げてしまったとします。このとき、何を認めるのかが大事です。ブロックを投げて遊んでもいい、というのはおかしいですね。やってはいけないことを「いいよ」と言うこと=認めること ではありません。子どもが投げる喜びを見つけた瞬間を認めましょう。つまり「投げられたね」です。次に「もっと遠くに投げてみよう」と言って、ボールを渡して遊びます。ブロックは投げるものではないからボールを投げよう、とルールも伝えます。認めてからルールを伝える順番が大事なのです。

――― 子どもの発見した喜びを受け止めることが大事なのですね。

天野 そうですね。また、キッチンを水浸しにして遊んでしまったとします。その時、認めるのがいいからといって、そのままキッチンを水浸しにされては親御さんの方にストレスがたまりますよね。ここは「キッチンを水浸しにしていいよ」ではなく「水っておもしろいよね! よく気づいたね!」と認めることが大事です。これができると、小学校の理科で水の性質を学び始めたとき、次のステップにスムーズに入っていくことができるんです。小学校の先生からよく聞くのが「最近の子は水のおもしろさを知るまで存分に遊んでこないから、水の性質という本来学ぶべきところを理解することができない。その前の水に触れるステップに夢中になってしまう児童が多い」ということでした。

ですから、水でいたずらをしていたら最初に「水のおもしろさに気づいたなんて、すごいね!おもしろいね」と認めてほしいです。

次に親がお手本を見せて、ここでは遊ばないことを示します。

その後で「もっとお水で大胆にあそぼう!」とお風呂やベランダなど水浸しになっても良い場所で遊ぶことを提案しましょう。ただ、最初の一言目がで、「あ! だめ!」というネガティブな言葉を発してしまうと、キッチンで遊ぶことに執着してしまうので、注意です。

やっていい・悪いの2択ではなく、何を子どもがおもしろがっているかに注目し、そこを認めたうえで、ルールもきちんと伝える。それが認めるということです。

子どもが落ち込んでいるときはただ寄り添って

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※写真はイメージです

――― 子どもが落ち込んで「自分はダメだ」と言うときは、どう対応すればいいでしょうか?

天野 これが1番難しいですね。ただ言えることは、親が何か言っても言わなくても、子どもはちゃんと立ち直る力を持っています。落ち込むことがあっても、そのとき一緒に隣にいる人がいれば、変な方向にはいかないと思います。「そんなこと言わなくていい」、「そんなことない」は否定の言葉になってしまうので控えましょう。「そんな落ち込まなくていい」「次はもっとがんばればいい」もプレッシャーに。親の前でネガティブなことを言ってはいけないんだな、と思われてしまいます。それが一番よくないことですね。そこで、親は怒ることなく、笑うことなく、穏やかにただ聞いてあげましょう。そうすれば、お父さん・お母さんにこんなことを言ってもちゃんと受け止めてくれる、とわかってくれるでしょう。

子どもは悩みを吐き出せると、次の日から元気になって学校に行けるものです。親はただ吐き出せる場になってあげれば充分かなと思います。

――― 聞き役に徹するということですね。

天野 思いを吐き出しているときは隣にいて、なるべく肩を抱いたり、手を握るなどして体に触れるといいです。向き合うと対峙している印象になるので、斜めに座ります。もし「ダメな子だよね?」と聞かれたら「ダメな子とは思っていないよ」程度は言っていいと思います。お子さんの顔もよく見て、打ち消してほしいというサインが見られたら、そのときは全力で打ち消してください。やがてお子さんが立ち直ってきたら「ママに言ってくれてありがとうね。全力で応援するね」と声をかけましょう。

後編でも引き続き認める言葉かけのコツを紹介します。

(解説:天野ひかり、取材・文:佐藤華奈子)

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