NEXCO中日本と国土交通省 中部地方整備局は2024年12月20日、「東海環状自動車道(西回り区間)事業調整会議」を開催。未開通のままの区間について、進捗が明らかになりました。全線開通はさらに延期の可能性が出てきています。
東海環状道、かなり難工事にぶち当たってる!?
NEXCO中日本と国土交通省 中部地方整備局は2024年12月20日、「東海環状自動車道(西回り区間)事業調整会議」を開催。未開通のままの区間について、進捗が明らかになりました。全線開通はさらに延期の可能性が出てきています。
2024年度に開通する東海環状道の大安IC-いなべIC間(乗りものニュース編集部撮影)。
名古屋圏の外縁をぐるりと結ぶ東海環状道は現在、岐阜県・三重県内の「西回り区間」をつなぐべく全線で工事が進んでいます。会議の結果、次のような進捗が明らかになりました。
●東海北陸道-名神区間(岐阜県内)
(1)山県IC-本巣IC(11.7km):2024年度内に開通予定
(2)本巣IC-大野神戸IC(6.8km):2025年夏頃に開通予定
このうち(2)は、橋梁工事の遅れにより2024年度から半年ほど遅れる見込みでしたが、工期を短縮し、若干の前倒しがなされる見込みです。
●名神-新名神・伊勢湾岸道区間(岐阜県-三重県)
(3)大安IC-いなべIC(6.6km):2024年度内に開通予定
(4)いなべIC-養老IC(18.0km):2026年度開通予定の「見直しが必要」
このうち(4)は三重・岐阜県境部で養老山地を貫く「養老トンネル」の工事で相当量の湧水が発生したため、延期をしたうえで2026年度とされましたが、さらに見直しが必要だということです。
養老トンネルの工事では、これまでに専門家の意見を踏まえて水抜きボーリングや止水のための補助工法を追加してきたものの、掘削した区間で新たに「盤膨れ等の地盤変状」が発生しており、掘削に時間を要しているとのこと。この12月には、岐阜県側の湧水量が一時的に、毎時「600t」まで達し、避難坑の掘削も一時停止しているといいます。
今後も、「断層破砕帯を通過することが想定されるため、湧水や地盤変状リスクの可能性もあり、工事完了時期が見通せない状況」だそうです。工程を精査し、開通見込みは改めて発表するとしています。
岐阜県・三重県からは「やむを得ない」という理解を得ているといいます。「全線開通に対する地域の期待も日増しに高まっているので、見直し後の開通時期については、1日も早い公表をお願いしたい」(岐阜県)といった要望も出ました。
この岐阜-三重区間が全線開通すれば、三重県から「愛知を通らず」北陸道や東海北陸道へ高速道路で移動できるようになるなど、従来考えられなかったような経路選択も可能になります。